犬は死ぬ前に挨拶する?死ぬ前に取る行動や飼い主が最期にできること
犬が最期を迎えるとき、飼い主に挨拶をするという話しを聞いたことがある方は多いでしょう。
犬が亡くなる原因はさまざまですが、病気や老衰のように自身の体の変化に気付けるような死因については、前兆があるといわれています。
前兆に気付くことができれば、飼い主としてさまざまなことができるため、ベストな形で送り出すためにも最期の挨拶に気付いてあげたいものです。
愛犬が死ぬ前にはどのような行動を取るのでしょうか。この記事では、犬が死ぬ前に挨拶をする信憑性や死ぬ前に取る行動、最後にできることなどをまとめて紹介します。
犬が死ぬ前に挨拶するのは本当?
犬が亡くなる原因はさまざまであるため、必ずしも死ぬ前に挨拶するとは限りません。しかし、愛犬が亡くなる前にいつもと違う行動や仕草があったと感じる方は多くいます。
ここでは、犬が死ぬ前に挨拶するといわれている理由を詳しく紹介します。
最期にいつもとは違う行動を取ることはある
犬が死ぬ前にいつもと違う行動を取ることはあります。
しかし、行動の内容についてはさまざまなパターンがあり、死因につながる病気にかかることで、愛犬自身もいつもと違うように感じているケースが多いです。
死期が近づくといつもと違う行動を取ることは多いため、行動の変化に気付けることが重要といえるでしょう。
犬は自分の死期が分かるといわれている
犬は自分の死期が分かるといわれており、死期を察知していつもと違う行動を取ることもあります。
犬の祖先であるオオカミは死期が近づくと、若いオオカミに食べ物を譲ったり、足手まといにならないように群れから離れるなどの行動を取ります。
このような行動を取るのは、他の動物に襲われないためです。他の動物にも多くみられる行動であるため、犬も同じように自分の死期が分かるといわれています。
犬の平均寿命
犬の平均寿命は大きさによって異なり、小型ほど長い傾向にあります。ここでは、全国犬猫飼育実態調査の結果をもとに、犬の平均寿命を大きさに分けて紹介します。
小型犬
2022年における小型犬の寿命は14.28歳で、超小型犬については15.31歳です。10年前の2012年は小型犬が13.85歳、超小型犬が14.76歳であるため、小型犬の寿命は長くなっています。
超小型犬とは、チワワやトイプードルのように、成長後の体重が4~5kgよりも軽い犬のことです。
中型犬・大型犬
2022年における中型犬・大型犬の寿命は13.81歳です。10年前の2012年は中型型の寿命は13.40歳であるため、約0.41歳ほど寿命が伸びています。
小型犬に比べて寿命が短い理由としては下記が挙げられます。
- 小型犬よりも成長するスピードが速いため
- 大きな体を維持するために細胞分裂を多く行うため細胞変異が起こりやすい
- 小型犬に比べて体の大きさに対する心臓などの臓器が小さい
ちなみに、中型犬は体重が10kg~25kg、大型犬は体重が25kg以上と定義されています。
性別(メス・オス)
犬の性別で寿命に大きな差はみられません。
しかし、避妊手術や去勢手術を行ったあとについては、メス犬の方がオス犬に比べて寿命が伸びたとの報告もあります。
オスとメスでは性ホルモンに関係する病気の発生リスクがありますが、避妊手術や去勢手術などはこれらの病気のリスクを減らし、寿命を伸ばすことにつながるのです。
犬に見られる老化の兆候
老化して死期が近づいてくると、愛犬にはさまざまな兆候がみられます。ここでは、犬にみられる老化の兆候を3つ紹介します。
食欲の低下
老化が進むと、下記のような理由から食欲の低下がみられるようになります。
- 腎臓、心臓疾患によって食欲が低下
- 首や足腰の筋力が低下して食事がしにくくなる
- あごや歯が衰えて食事がしにくくなる
- 視覚や嗅覚が衰えて食べ物が認識しにくくなる
大きな病気が原因となっているケースもあるため、急激に食欲の低下がみられる場合は動物病院で診察してもらうことをおすすめします。
足腰の衰え
老化が進んで足腰の筋肉や関節が衰えると、よろけたりつまずく症状がみられるようになります。
「犬の老化は後ろ足から始まる」といわれているように、足腰の衰えで最初に症状が出やすいのは後ろ足です。これは日ごろから体重の7割を前足で支えており、後ろ足の筋肉をあまり使っていないことが理由です。
認知症の症状が現れている
老化が進むと、徘徊や無駄吠え、トイレの失敗などの認知症の症状がみられるようになります。
認知症になる理由は、老化や脳梗塞、栄養障害によって自律神経や脳神経細胞が正常に機能しなくなるためです。大型犬では8歳以上、小型犬では10歳を過ぎると認知症の症状が現れやすくなります。
犬が死ぬ前に取る行動
犬が死ぬ前、普段はみられないようなさまざまな行動や前兆があります。ここでは、犬が死ぬ前に取る行動を紹介します。
散歩を拒否する
散歩が好きな犬でも、死期が近づくと散歩を拒否するようになります。
散歩をしなくなるのは、老化によって足が痛い、病気によって歩けないなどが原因です。このような行動を取る場合は、無理に散歩をさせるのではなく様子をみましょう。
また、散歩の途中で動かなくなるのも体に異変が生じている可能性があります。無理をして歩かせるのではなく、抱っこや休憩をしながらゆっくり帰りましょう。
寝ている時間が長い
犬が死ぬ前は寝ている時間が長くなり、中にはずっと目を閉じて寝ているようなケースもあります。
寝ている時間が長くなるのは、足腰が痛くて動けない、病気で活動する体力がないなどが原因です。無理に起こさず、そっとしてあげましょう。
発作や痙攣
腎臓病や肝臓病、多臓器不全などの病気を抱えていると、発作や痙攣などを起こすケースがあります。
発作や痙攣が発生すると、体をバタバタさせたり、失禁や失神、泡を吹くような症状を伴うケースが多いです。意識はほとんどありませんが、周囲に物を置いている場合は発作時にぶつからないように、片づけておく必要があります。
発作や痙攣をみるのは飼い主としてもつらいため、動物病院で発作を抑える薬を処方してもらうのもよいでしょう。
$嘔吐や下痢$
死が近づくと、嘔吐や下痢を繰り返すようになります。
老化によって消化や吸収能力が低下することや、胃腸関連の病気などが主な原因です。また、亡くなる前には体の中にあるものを出し切るという犬の本能も関係しています。
愛犬の体が汚れないようにペットシーツを敷き、体が汚れたときはこまめに拭いてあげましょう。
乏尿や血尿
老化や病気によって腎臓の機能が低下すると、正常に尿が作られなくなることで、乏尿や血尿がみられる場合があります。
腎臓病が原因で亡くなるケースだけでなく、尿を排せつできないことで体の中に毒素が蓄積して亡くなるケースもあります。
呼吸が荒くなる
犬が亡くなる前には、浅い呼吸から深い呼吸に変わり、そのあとに無呼吸になるような荒い呼吸の症状がみられる場合があります。
チェーンストークス呼吸と呼ばれる呼吸で、このような症状がみられると余命は数分から数時間ほどの場合が多いです。
必要以上に甘えてくる
死ぬ前に体調が悪化して体に異変を感じると、必要以上に甘えてくるケースもあります。
甘えてくる理由はさまざまで、体の自由が効かない不安から甘えるケースもあれば、錯乱を起こして甘えている場合もあります。
甘えてくるしぐさがみられるときは、体に負担がない程度に構ってあげましょう。
食欲が落ちる
犬は老化が進むにつれて、代謝の低下や飲み込む力が弱くなって食欲が低下します。
死期が近づくと水も口にしなくなるため、無理に食べさせるのは避けて水分をスポイトで垂らして飲ませましょう。また、食べる力が残っている場合はフードをお湯やだし汁で柔らかくするか、ウェットフードに切り替えることをおすすめします。
犬が死ぬ前に飼い主ができること
愛犬の最期が近づいていると感じる場合は、後悔しない対応が必要です。ここでは、犬が死ぬ前に飼い主ができることを紹介します。
できるだけ一緒にいる
愛犬を大切に思うのと同じように、愛犬もあなたのことを大切に思っています。
死期が近くなると、体調の悪さや体が思うように動かせないことに不安を感じているので、できるだけ一緒にいて安心させてあげましょう。大好きな家族と過ごす時間こそ、愛犬にとって幸せなひと時です。
可能であれば、いっぱい触ってスキンシップもとってあげましょう。信頼できる人に触られることによって気持ちが安定するオキシトシンというホルモンが分泌されます。
犬が好きな人に会わせてあげる
愛犬に好きな人がいる場合は、会わせて気分転換させましょう。
死期が近いと反応することはできないかもしれませんが、声や匂いを感じ取って喜んでくれるはずです。仲のいいお友達のペットに会わせてあげるのもよいでしょう。
犬が大好きなものを食べさせる
病気で食事制限がかかっている場合を除き、愛犬が好きなものを食べさせてあげるのもおすすめです。
食べ物を噛む力が弱くなっているときはミキサーを使い、ペースト状にすると食べやすくなります。死期が近いと飲み込む力も弱まっているため、喉に詰めないように見守りましょう。
食欲のない愛犬に好きなものを食べさせることが不安に感じる場合は、かかりつけの獣医に相談しておくと安心です。
苦痛を取り除いてあげる
愛犬が病気や痛みで苦しそうなときは、苦痛を取り除いてあげるのも方法の1つです。
動物病院によってはターミナルケアや緩和ケアなどを行い、痛みを取り除くことを目的としている治療に対応しているところもあります。また、どんな治療を行っても痛みを軽減できない場合、安楽死を選択するのも方法の1つです。
安楽死については、動物病院で注射を行い抱っこをしながら見送る方法や、麻酔や鎮静剤を注射して寝ているような状態で見送る方法などがあります。いずれにしても重い決断になるため、自分だけで決めるのではなく、家族や知人に相談してから決めることをおすすめします。
見送り方を決めておく
愛犬に死の兆候がみられる場合は、見送り方を決めておくことも大切です。
「愛犬が生きているときに亡くなったあとのことを考えたくない」と考える方もいるでしょう。しかし、愛犬が亡くなったら葬儀や火葬、死亡届の提出などに追われます。場合によっては、思うような見送り方ができずに後悔するかもしれません。
見送り方については、病院で最期までケアしてもらう方法と自宅で看取る方法があります。自宅で看取る場合は愛犬にとって住み慣れた場所で好きな人に見送ってもらえることや、愛犬が好きな人やペットに会わせることも可能です。
また、亡くなったあとについては人と同じように葬儀をして火葬する形式も増えています。火葬前のお別れや収骨の立ち合いができるところ、いつでもお墓参りができるような業者もあるので、愛犬が亡くなって慌てないためにも、葬儀の流れや葬儀を依頼する業者の候補を考えておきましょう。
まとめ
この記事では、犬が死ぬ前に取る行動や飼い主が最期にできることを紹介しました。
愛犬が亡くなることは辛く悲しいことですが、亡くなる前にはお別れの挨拶や前兆がみられることも多くあります。犬の最期の行動やサインを把握しておくことで、最期を迎える心の準備もできるでしょう。
愛犬が亡くなったあとは葬儀や火葬の準備が必要となるため、慌てないためにも愛犬が元気なうちに見送り方や葬儀について知っておくことや考えておくことも大切です。
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