犬の火葬方法はどうするの?火葬の種類や費用について解説

家族同様にかわいがっていた犬が亡くなってしまった時、つらくてもきちんとしたお別れをしなければなりません。

感謝をこめて送り出すためにも、葬儀方法や火葬について正しい知識を持っておきましょう。

大切な家族として後悔しないように送り出すには、どのような葬儀や火葬を行えばいいのでしょうか。

本記事では、犬が亡くなってから葬儀・火葬までの流れや、いつまでに行うかなどについて解説します。

犬の火葬方法とは?

犬の火葬方法とは?

火葬方法としては、訪問火葬・個別一任火葬・個別火葬・合同火葬の4つがあり、それぞれに特徴があります。

内容を比較して、ペットのためにどうすべきかを考えて決めましょう。

訪問火葬

最近では、家から愛犬を送り出してあげたいと考える飼い主も多く、自宅から送り出す訪問火葬が増えました。

火葬炉を搭載した火葬車で自宅に訪問し、安全な場所で火葬を行うサービスです。

これからメリットやデメリットについて紹介します。

メリット

火葬場が近くになかったり、飼い主が高齢で火葬場まで移動が難しかったり、自家用車がなく施設まで運べないときにすべてを任せられます。

飼い主が火葬に立ち合いお骨上げまでできる立会火葬、お骨上げが担当者に任せられる一任個別火葬から選べるため、お任せでありながら、飼い主様の意志を取り入れられます。

また、動物葬祭ディレクター資格を持ったスタッフが、悲しみの中にいる飼い主に寄り添い、最期の旅立ちをサポートしてくれます。

どのような場所で火葬するのかは、飼い主の自宅環境を配慮し、スタッフから提案してもらえるので安心です。

そして、火葬車から臭いや煙が出てしまい、ご近所の迷惑になることはありませんので心配ありません。

デメリット

納骨と埋葬までは行ってもらえないため、返骨後の対応は自分で行う必要があります。

また、移動火葬のため、味気なさを感じるというかたは大切な家族をお任せしてもいいのかと悩んでしまう点もデメリットとして挙げられます。

そして、実際に依頼すると天候に左右されたり、火葬場所の確保まで時間がかかったりと時間がかかる点も挙げられるため、自身で火葬場に行くよりも融通が利かない事もありますので注意しましょう。

個別一任火葬

お葬式を済ませたあとに、葬儀屋にペットを渡して個別で火葬してもらう方法です。

引き渡し後は、火葬されるペットを見ることがないので、精神的なダメージを受けずに終えられます。

受付後は、ペットを預けて当日中か翌日以降に連絡後、遺骨を引き取りに行きます。

スタッフに一任するので、火葬中に待機する必要がなく、精神的なダメージは少なくなります。

ペットが焼かれるところを見たくない、火葬に1日時間をとることができない飼い主におすすめです。

個別立会火葬

自分のペットだけに立ち会って火葬する方法です。

家族の一員だったペットとの別れに時間をかけられるので、心の整理がつけやすくなります。

火葬が終わったあとは、飼い主がお骨上げをして返骨が行われます。

遺骨の収集を家族で行えるので、しっかりと最後まで見送りたいとお考えの方にぴったりの火葬方法です。

火葬に立ち合うことで未練を断ち切り、犬の冥福を心から祈ることができるようになるでしょう。

人間と同じように、日程や時間を依頼主の希望に合わせて準備しますので料金は高めです。

合同火葬

他の飼い主のペットと一緒に火葬する方法で、遺骨が混ざってしまうためにお骨上げはなく、合祀墓などに納骨されます。

葬儀会社に一任するスタイルになるため、ペットの遺骨を手元に残したい方には不向きです。

たくさんの動物と一緒に供養してあげたい、料金を節約したいなら合同葬がいいでしょう。

ペット葬儀会社以外で、ペットの合同葬を行っている自治体があります。

なお、自治体では燃えるゴミとして焼却される例があるため、合同葬を検討しているならば、ペット専門の葬儀屋に依頼しましょう。

犬の葬儀方法とは?

犬の葬儀方法とは?

犬を家族のように大切にしていたのであれば、最後はきちんとした形で見送りたいと考える飼い主が多いはずです。

葬儀方法には、葬儀社だけでなく自治体に依頼する方法もありますので、比較して選びましょう。

各自治体での葬儀方法を選択された場合

個別火葬対応の自治体もありますがごく少数で、ほとんどは合同葬となり「一般廃棄物」として処分されます。

法律では、ペットであっても自治体では野生動物と同じ扱いになるため、手厚い葬儀が行われることはありません。

自治体で火葬をするためには、役所の担当部署に連絡をして、遺体を持ち込める日を確認します。

各市町村のホームページに連絡先がありますので、電話やメールで問い合わせましょう。

火葬日が決まったら、箱に納めるなどして持ち込みます。

なお、自治体火葬では、自分の犬だけの遺骨を引き取ることはできませんので注意が必要です。

葬儀会社での葬儀を選択された場合

葬儀方法は人と同じで、祭壇を作りペットを納棺したら読経や焼香を行ってお別れをします。

家族や親しい友人だけで見送ることが多く、葬儀が終わったら火葬を行い、お骨上げして終了です。

葬儀は自宅で行うことも、会場を借りて祭壇に花を飾り、読経とお焼香でお別れもできます。

お別れに時間をかけてしまうと苦しくなってしまう方や、大げさな事は好まないのであれば火葬だけも十分な供養です。

自分たちでお骨上げするのか、依頼するか選べるので家族で話し合ってください。

火葬したお骨は、自宅の庭に埋めたりペット霊園に納骨するなど、いくつかの方法があります。

一緒に生活してきた犬は家族の一員ですから、骨をすぐにどうこうすることは考えられないでしょう。

気持ちが落ち着いてから、家族で話し合い最善の答えを出してください。

犬が亡くなったらまず行うことは?

犬が亡くなったらまず行うことは?

突然愛犬が死んでしまったら、ショックで呆然としたり取り乱したり、すぐには現実を受け入れられないかもしれません。

しかし、遺体をそのまま放置しておくわけにはいきませんので、適切な処置を行って早めに供養してあげましょう。

具体的に何をどうすればいいのか、葬儀や火葬までの流れを解説します。

生存確認を行う

動物にも寿命がありますので、いつかはお別れする時がやってきます。

元気だったはずなのに、急に静かになったり動かなくなったりすると、不安な気持ちでいっぱいになるでしょう。

起き上がることもなく、意識がないと「死んでしまった」と思ってしまうのは仕方がありません。

犬は持病によっててんかんを起こしたり、なにかの原因で仮死状態になることがあります。

私たちと同じように、死亡しているのか仮死状態であるかを判断するのは、呼吸・脈拍・血圧です。

わきの下や胸に手を当て心臓の鼓動が感じられるか、浅くても呼吸しているかを確認しますが、自分で判断ができない時には、かかりつけの獣医師の診察を受けましょう。

遺体の安置を行う

犬が死亡していることがわかったら、最後のお世話をしてあげましょう。

体をきれいに拭いたらブラッシングで毛を整え、手足を折り曲げて丸くします。

すでに死後硬直が始まっているのであれば、無理に体を動かさずにそのままで構いません。

命が終わってから体は腐敗が進んでいきますので、整えた後には冷暗所に安置します。

夏場は特に腐敗が早いため、直射日光の当たらない部屋に移動させましょう。

大きめの段ボールに新聞紙、犬が愛用していた敷物を敷いて遺体を安置します。

保冷剤は上半身と下半身2カ所ずつ、内臓の下に敷いておくと腐敗が進みにくくなります。

好きな食べ物やおもちゃなどは、箱に直接ではなくかごなどに入れ、近くに置いてください。

ペットの火葬は死後いつまでに行うべきか?

ペットの火葬は死後いつまでに行うべきか?

火葬を決めたら葬儀会社を調べて連絡をし、どのような葬儀をするかプランを決め契約します。

しかしながら、火葬場が空いていなければ葬儀を進めることはできませんので、それまでは自宅で安置します。

腐敗の進行具合は季節によって異なり、夏は2日、冬は4日以内に行うのが好ましいです。

近年では、春から気温が上昇し暑い日が続きますので、2日、3日以内に火葬が行えるようにスケジュール調整してください。

亡くなってから火葬するまでの流れ

亡くなってから火葬するまでの流れ

葬儀屋に依頼し、どのような火葬にするのか決めたら、火葬までの流れを把握しておきましょう。

ここからは、個別立会火葬と訪問火葬それぞれの流れについて解説します。

個別立会火葬の場合

個別立会火葬はペットごとに火葬を行う方法で、お葬式から納骨まで飼い主立ち合いの元に進められます。

家族として最期の瞬間まで看取ることができる個別立会火葬は、多くのペット愛好家に選ばれている火葬です。

ペットを葬儀会社へ連れていく

葬儀社によっては、自宅まで遺体を引き取りにきてくれますが、基本的に飼い主が葬儀場まで運びます。

お迎えサービスがあるかは依頼前に確認しておきましょう。

読経を行ってもらう

ペット専用の読経はありませんが、南無阿弥陀か馬頭観音の真言を使うことが多いです。

最後のお別れに必要であれば葬儀社に頼んでおくといいでしょう。

愛犬との最後のお別れを行う

火葬前には、ペットと最後のお別れをします。

棺の中に、お菓子やお気に入りのおもちゃなどを入れて声をかけてあげましょう。

一緒に過した日々を思い出し、今までの感謝の気持ちを伝え、お別れします。

火葬・収骨・納骨を行う

個別立会火葬は、ペットの骨を飼い主自身が拾い上げられます。

火葬後は、十分に温度が下がってからお骨上げを行うことで、心の整理がつきやすくなり、前向きに供養する気持ちになれるでしょう。

訪問火葬の場合

大型犬で火葬場まで運ぶのが大変な場合や、飼い主が高齢なので自宅で見送りしたいケースも増えています。

そんなときは、自宅で最後のお別れができる訪問火葬がいいでしょう。

臭いがもれないように工夫された、業者名なしの車で訪問してくれますから、ご近所の目を気にする必要がありません。

葬儀・火葬担当者が自宅に訪問する

電話やメールで予約すると、担当者が火葬設備付きの車で訪問してくれます。

臭いがもれないように工夫された、業者名なしの車で訪問してくれますから、ご近所の目を気にすることもありません。

スタッフとの打合せを行う

ホームページでプランなどを確認しておけば、打ち合わせもスムーズに進みます。

料金などの説明を聞いたのちに、プランを決めたら支払い方法などを確認しましょう。

どこで火葬できるのか、どれぐらいで火葬が終わるのか、遺骨はどのようになるかなど気になることは聞いておきます。

愛犬との最後のお別れを行う

最後のお別れには、ペットフードやおもちゃなどをペットといっしょに納めましょう。

火葬前のお別れですから、たくさん声をかけてあげてください。

出棺~火葬が行われる

各市町村の条例によって自宅前では火葬ができないケースもあり、その場合は住宅街から離れた場所に移動して火葬が行われます。

収骨もしくは返骨を行う

担当者が骨を拾って飼い主に渡すところもあれば、火葬後は飼い主が自分でお骨上げできるところもあります。

どのようなプランがあるのか、訪問時に確認して決めましょう。

犬の火葬はいくらになる?

犬の火葬はいくらになる?

犬の火葬にかかる費用を表にまとめました。

体が大きくなれば、火葬に時間がかかるために費用は高額になります。

こちらは目安であり、葬儀社によっては料金が異なりますので、各社のホームページで確認してください。

犬の体長・体重 立会火葬 個別火葬 合同火葬
小型犬:5kg未満・50×32cm 30,000円~40,000円 20,000円~40,000円 10,000円~20,000円
中型犬:5~10kg・60×40cm 35,000円~40,000円 20,000円~40,000円 15,000円~25,000円
中型犬:10~20kg・75×46cm 40,000円~50,000円 30,000円~40,000円 20,000円~25,000円
大型犬:20~30kg・92×56cm 40,000円~60,000円 35,000円~50,000円 30,000円~40,000円
超大型犬:30~50kg100×60cm 50,000円~70,000円 40,000円~60,000円 35,000円~45,000円

個別火葬の費用

個別火葬では、準備からお骨上げまでスタッフが責任を持って行います。

そのため合同火葬より費用は高くなりますが、中型犬までは立会火葬と金額はほぼ変わりません。

立会火葬の費用

ペットに最後まで寄り添ってあげたいのであれば、費用は高くなりますが立会火葬がいいでしょう。

小型から中型犬の場合、平均価格は40,000円と個別火葬と同じくらいの金額で弔えます。

大型犬になると、人と同じように火葬が終わり熱が冷めるまでに時間がかかるので注意が必要です。

葬儀の準備から火葬まで、半日ほどスタッフが付きっきりになることから金額は高くなる傾向があります。

合同火葬の費用

他のペットたちと一緒に火葬しますので、返骨もありません。

葬儀場で担当者に任せた後は、業者が火葬を行いペット霊園などにまとめて納骨します。

小・中型犬はややリーズナブルな価格ですが、中型でも大きめの場合には、個別や立会火葬と金額に大きな違いはありません。

費用はもっとも安くなりますが、最期のお別れがしたい方や遺骨を持ち帰りたい飼い主には不向きです。

まとめ

まとめ

犬を火葬せずに庭に埋めることはできませんので、自治体か葬儀社に依頼します。

自治体に依頼すれば葬儀代を安く済ませられますが、愛犬とのお別れを惜しむこともなく、廃棄物処理されているのが現実です。

火葬方法はいろいろあり、どれがよいかは飼い主のライフスタイルによっても異なります。

どういう火葬がいいのか分からない場合は、ペット葬儀・ペット火葬のペットマザーに相談してみましょう。

大切な家族とのお別れはつらいですが、感謝の気持ちを伝えると同時に、思い出が深く残るように後悔しない方法を選択してください。