ペット火葬は自分でできる?自宅火葬のリスクと合法的な供養方法を解説
「大切なペットを自分の手で丁寧に火葬してあげたい」「経済的な問題で自分で火葬したい」と考えている飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、自宅でのペット火葬は違法であり、他の方法で弔ってあげる必要があります。
安心してお見送りをするためには、火葬方法について知識を深めることが重要です。
この記事では、ペットの火葬を自分でできるのか、自分で行うことのリスクから、自分の手で供養する方法、安心して依頼できるペットの火葬方法について解説します。
ペット火葬は自分でできる?
「ペットを自分の手で見送りたい」と考える飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
しかし、ペットの火葬を自分で行うことには、実はさまざまな問題があります。ここでは、ペットの火葬を自分でできない理由とリスクについて解説します。
私有地でもNG
ペットの火葬を自分で行うことは、残念ながら私有地であっても法律で禁止されています。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」に基づいて、ペットの遺体は法律上「廃棄物」に分類されるためです。
ペットを自宅で火葬すると、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性があります。
火葬の際に発生する臭いやダイオキシンなどの有害物質が環境汚染の原因となり、近隣住民に迷惑をかける恐れもあります。
ペットの火葬を行う場合は、民間のペット葬儀社か自治体に依頼することが必要です。専門業者は、適切な設備と法的な許可を持っており、環境に配慮した方法でペットの火葬を行えます。
自分で火葬するリスク
そもそも法律違反となるため自分で火葬することはできませんが、法的なリスクの他にも以下のように多くのリスクがあります。
- 法的なリスク
- 環境汚染のリスク
- 火事になるリスク
- 遺骨をきれいに残せないリスク
一般家庭には火葬設備がないため、火の制御が困難で、周囲に燃え移る危険性があります。
実際、ペットの火葬では訪問火葬車による火災事故が複数報告されており、プロでさえリスクがあるため、一般の方が自宅で火葬を試みれば、さらに危険度が増すでしょう。
また、一般家庭で火葬をしてきれいに遺骨を残すことはほぼ不可能です。
ペットの火葬には高度な技術と専門の設備が必要で、温度管理が正しくないと、遺骨が灰になってしまったり、逆に不完全燃焼で燃え残ってしまったりします。
ペットの火葬は、必ず専門の火葬業者か自治体に依頼し、安全かつ正しく、大切なペットを見送りましょう。
自分で供養する選択肢
法律上、ペットの火葬を自宅で行うことは認められていません。
そこで、法律に抵触せずにペットを自分で供養する方法として、「土葬」と「プランター葬」という選択肢があります。
ここでは、土葬とプランター葬について解説します。
土葬
ペットの土葬は、私有地であれば法律に抵触しない、自分の手でできる供養方法の一つです。ペットが「土に還る」という自然な形での供養が可能です。
ただし、土葬にはいくつか注意点もあります。
まず、十分な広さと深さを確保できる私有地が必要です。埋葬する穴の深さが浅すぎると、腐敗や野生動物による掘り返しのリスクがあります。
また、水源に近い場所では衛生上の問題が起こる可能性があるため、川や湖などの周辺で土葬はできません。
さらに、引っ越しなどで管理できなくなる場合、新たな居住者のトラブルになる可能性も考慮する必要があります。
これらを踏まえ、土葬を選ぶ際は慎重に計画し、衛生面や周囲への影響を十分に考慮することが大切です。
プランター葬
プランター葬は、私有地や広い土地がない場合でもペットを自分の手で供養できる土葬の一種です。場所を取らず、移動の際にもプランターごと移動できるため、マンションにお住まいの飼い主さんにもおすすめです。
ただし、プランター葬には注意が必要で、土の量や微生物の数が少ないため、うまく分解されずに腐敗や虫が発生することもあります。
プランター葬を行う場合は、30cm以上の深さがあるプランターを使用し、多くの土を入れることが推奨されます。
さらに、日当たりと風通しの良い場所で管理し、水はけを良くすることに考慮してプランター葬を行うことで、大切なペットを安心して供養できるでしょう。
熱帯魚や小型の爬虫類、ハムスターなどの小さなペットには適していますが、犬や猫などの大きさには向いていないため注意が必要です。
土葬・プランター葬のリスク
ペットを自分の手で供養したいと考える飼い主さんにとって、土葬やプランター葬は魅力的な選択肢ですが、リスクもあります。
ここでは、土葬やプランター葬を行う際のリスクについて詳しく解説します。
土壌・水質汚染
ペットの遺体をそのまま土に埋葬すると、生前に摂取した食品や薬品に含まれる化学物質が土壌に浸透し、地下水を汚染する可能性があります。
遺体の分解過程で、体内に含まれる微生物や有害物質が土壌に浸透し、地下水へ流れ出るリスクがあります。
特に、ペットが投薬治療をしていた場合、人体や他の生物に悪い影響を及ぼす恐れもあるため、注意が必要です。
たとえ私有地であっても、自治体のガイドラインや規制を確認し、投薬治療を受けていた場合は獣医に相談して、安全な方法を選択することが重要です。
異臭
ペットの遺体を火葬せずにそのまま埋葬すると、遺体の分解が進む過程で発生するガスや液体が原因で、臭気が地表に漏れ出す場合があり、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があります。
異臭トラブルは、特に埋葬場所が近隣住宅に近い場合や、通気性が悪い場所で埋葬した場合に発生します。
問題を軽減するためには、1~2メートルの深さを確保する、防臭効果のある石灰や炭を使用する、近隣との距離を確保し風通しの良い場所を選ぶことが重要です。
害獣被害
動物は、臭いを敏感に察知し、埋葬されたものを掘り返すことがあります。特に、埋葬場所が浅い場合や、周囲に野生動物が多い地域では、このリスクが上昇します。
害獣によって埋葬場所が荒らされると、供養の妨げになるだけでなく、近隣住民とのトラブルにも発展する可能性があります。
十分な深さを確保したり、石灰や炭を使用したりすると、防臭効果を高め、害獣被害の抑制が可能です。
埋葬場所の選定も重要で、人通りが少なく、動物の侵入が少ない場所を選ぶといいでしょう。対策を講じることで、大切なペットを安心して供養できます。
ペットを火葬する方法
専門の火葬業者に依頼すると、環境に配慮しながら大切なペットを見送ることが可能です。ペット火葬の依頼先は「自治体」と「ペット火葬業者」に分かれます。
ここでは、自治体とペット火葬業者の特徴について解説します。
自治体に依頼
自治体にペットの火葬を依頼する方法は、費用が安価であることが特徴です。
自治体によるペット火葬は、一般的に他のペットと一緒に火葬する「合同火葬」が主流で、費用は1,000円~5,000円程度が相場です。
ただし、ゴミと一緒に火葬される場合があったり、合同火葬では遺骨が返されなかったりするため、火葬方法やその後の供養方法にこだわりたい飼い主さんにはおすすめできません。
また、自治体の受付時間は平日のみであることが多く、週末や祝日には対応していない場合もあるため、仕事や学校の都合などでスケジュール調整が必要になる場合もあります。
事前にお住まいの地域の対応を確認し、どのような方法でペットが火葬されるかをよく調べておくことが大切です。
自治体に依頼する場合は費用面でのメリットがありますが、手厚い供養を希望する場合は民間の火葬業者を検討するといいでしょう。
民間のペット火葬業者に依頼
民間のペット火葬業者に依頼すると、飼い主さんの希望に応じた柔軟なサービスを受けられます。
個別火葬では、一匹ごとに火葬を行い、遺骨を手元に残すことが可能なプランもあり、ペットとの最後の時間を大切にできます。
民間業者のもう一つのメリットは、24時間365日受付対応している業者もあり、忙しい方でも利用しやすい点です。さらに、訪問火葬サービスを提供している業者もあり、自宅でペットを見送りたいという希望にも応えられます。
ただし、民間のペット火葬業者のサービスは自治体よりも高額になるケースが一般的です。費用はペットの大きさや選択するプラン、業者によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
民間のペット火葬業者は、さまざまなニーズに応えるプランやサービスを提供しており、大切なペットを心を込めて見送るための良い選択肢といえるでしょう。
ペット火葬の種類
民間の火葬業者では、さまざまな火葬方法を選択でき、それぞれに特徴とメリットがあります。飼い主さんの希望やペットへの想いに合わせて、自分に合う方法を選びましょう。
ここでは、それぞれの火葬方法について詳しく解説します。
合同火葬
合同火葬は、複数のペットを同時に火葬する方法で、費用を抑えたい飼い主さんにおすすめの選択肢です。
ただし、他のペットと一緒に火葬されるため、遺骨が個別に引き渡されず、火葬後の遺骨は合同墓地や供養塔に納められます。
遺骨を手元に残したい飼い主さんには向きませんが、多くのペットとともに眠らせたいという希望には応えられるでしょう。
合同火葬は経済的で環境にも優しい方法ですが、飼い主さんの希望やペットへの思いを加味して選びましょう。
個別一任火葬
個別一任火葬は、ペットの火葬の過程をすべて業者に任せる方法です。
火葬に立ち会う必要がないため、「火葬はしてあげたいけど、見るのがつらい」と感じる飼い主さんにおすすめです。
遺体の引き取り、火葬から収骨までを一貫して火葬業者が行い、遺骨は希望すれば手元に返され、自宅で供養できます。
このプランは、ペットの死を受け入れるのがつらい方や、仕事や学校などで時間の都合がつかない方にとって便利ですが、飼い主さんが最後のお別れを見守りたい場合には不向きです。
立ち会いができないため、ペットとの最後の時間を大切にしたい方には別の方法を検討する必要があります。
個別一任火葬は、心の準備ができていない飼い主さんにとって優しい選択ですが、その分、直接見送る機会を失ってしまう可能性もあるため、自分の気持ちを考慮して選ぶことが重要です。
立会個別火葬
立会個別火葬は、ペットとの最後の時間を大切にしたい飼い主さんにおすすめの火葬方法です。火葬のすべての過程に立ち会い、ペットの旅立ちを見送ります。
プランやオプションによっては、人と同様のセレモニーが行われることもあり、感謝の気持ちを伝える時間が設けられています。
火葬後は、お骨上げを行い、遺骨を手元に残すと、自宅での供養やペット霊園や納骨堂への納骨など、希望に応じた供養方法を選択が可能です。
立会個別火葬は費用が他の方法よりも高くなりますが、その分手厚い供養ができます。ペットとの最後の瞬間をしっかり見届けたい方にとって、この方法は心に残る選択肢となるでしょう。
まとめ
ペットの火葬を自分で行うことは、法律で禁じられているためできません。火葬を行う場合は、お住いの自治体やペット専門の火葬業者に依頼する必要があります。
火葬費用を抑えたい場合は、自治体かペット火葬業者の合同火葬を選び、丁寧なお見送りがしたい場合は、ペット火葬業者の立会個別火葬を選ぶといいでしょう。
ペットマザー大阪火葬斎場では、合同火葬や個別一任火葬、立会個別火葬から飼い主さんの希望に合わせて、火葬方法を選ぶことができます。
大阪でペット火葬をご検討の場合は、ペットマザー大阪火葬斎場にご相談ください。