ペットをそのまま庭に埋めるのは良くない?その理由や適切な埋葬方法を詳しく紹介
家族同様に生活していたペットが亡くなってしまった時、人間と同様に供養をしたいと考えるでしょう。
大切なペットを少しでも身近に感じられるようにと、供養の方法として自宅の庭に埋めることを考える方もいるかもしれません。
庭への埋葬も立派な供養ではありますが、周囲の環境への問題等を考えると決して正しい判断とは言えない場合もあります。
なかには、ペットを庭に埋めることに対して良くないと考える方もいるため、良くないといわれる理由を知り、適切な埋葬方法で供養してあげることが重要です。
この記事では、亡くなったペットを庭に埋めるのはなぜ良くないのか、理由や考えられるトラブル、適切な供養の方法について詳しく解説します。
ペットを庭に埋めるのは良くない?
亡くなったペットを庭に埋めるのは良くないと言われることがあります。ここでは、その理由について解説します。
法律上埋めることができない場合がある
法律上、亡くなったペットを自宅の庭に埋めることができない場合があります。
自身が所有する土地であれば、亡くなったペットを埋めることは何も問題ありませんが、公共の場所や他人の土地に埋めるのは法律に抵触してしまいます。
そもそも亡くなったペットの遺体は、法律上は廃棄物として扱われるため、他人の土地に無断で埋めてしまった場合は軽犯罪法違反(同法1条27号)により処罰されてしまいます。
特に注意してほしいのが、賃貸として借りている住宅の庭への埋葬です。
家賃を支払っているとはいえ、土地の所有者は貸主であるため、貸主の許可を取らずに無断で亡くなったペットを庭に埋めてしまうと処罰の対象となります。
愛するペットとの別れはつらく、少しでも近くに置いておきたいという気持ちからペットを庭に埋める場合もありますが、所有者との関係で埋められないことがあります。
庭にペットを埋める際は、その庭の所有者が誰なのかを基準に考えるようにしましょう。
庭への埋葬は風水的に良くないと言われている
亡くなったペットを庭に埋めるのは、風水的に良くないと言われています。
風水とは、衣食住などあらゆる環境の位置が運勢や生活に影響を及ぼすと考えられている中国発祥の思想です。負のエネルギーのあるものが生活環境にあると、住む人の運気にも影響があると考えられています。
つまり、家族同様に生活を送っていたペットであっても、庭に埋めてしまうと悲しみや死を連想させるイメージが残り、生活する住人の運気を奪い良くないと言われています。
しかし、風水は確実なものではありません。風水学から見た場合は庭への埋葬が良くないと判断されるだけであって、自分が風水をどれだけ信じてペットのお墓の位置を考えるかは、自身の判断となります。
また、亡くなったペットの供養は自宅の庭だけでなく、ペット霊園や寺院に埋葬してもらう方法もあります。大切なのはペットを埋める場所ではなく、きちんとした気持ちを持ってお別れをできたのかが、愛するペットにとっても一番の供養となるでしょう。
ペットを庭に埋めて供養した際に考えられるトラブル
亡くなったペットを庭に埋めてしまった場合、いくつかのトラブルが発生するリスクが考えられます。トラブルに発展するリスクが庭への埋葬が良くないと言われている原因です。
ここでは、ペットを庭に埋めて供養した場合に考えられるトラブルについて紹介します。
異臭発生のリスク
ペットを庭に埋めると異臭発生のリスクが伴います。
自宅にペットを埋める場合、火葬ができず土葬として埋葬することがほとんどですが、そのままの状態で遺体を埋めると腐敗が進み異臭が発生する可能性があります。
ペットを埋めた場所が近隣の家との距離を保てなければ、異臭トラブルの原因となります。
供養のためにと埋めたペットの遺体が原因で異臭トラブルが発生してしまったら、飼い主はもちろんのこと、亡くなったペットも浮かばれません。ペットを庭に埋める際は、近隣との距離を一定以上保てるかを基準に判断するとよいでしょう。
害虫発生のリスク
ペットを庭に埋めた場合、遺体の腐敗が進む際に菌や害虫が発生する可能性があります。
特に水源や畑の付近にペットを埋めた場合、菌や害虫によって水質・土壌汚染のリスクも考えられます。
亡くなったペットの供養は大切ですが、周囲に迷惑をかけてしまっては意味がありません。火葬してから埋葬するなど、適切な供養の方法を考えてください。
不動産関連のリスク
お住まいの環境によっては、不動産関連のトラブルが発生するリスクもあります。
例えば、お住まいの住宅が賃貸だった場合、法律上は廃棄物と定義されるペットの遺体を庭に埋めてしまうと法律に抵触してしまいます。
また、場合によっては埋めたペットのお墓を掘り起こさなければいけないケースもでてきてしまいます。ペットを庭に埋めたとしても、土に還るまでは数年から数十年もの長い年月がかかります。
もし賃貸住宅の引っ越しが決まってしまった場合、ペットの遺骨をそのままにすることはできず、お墓を掘り起こして移動させなければいけません。
静かに眠るペットを土から掘り起こす行為は、飼い主としては気持ちの良いものではありません。賃貸住宅にお住まいで引っ越す可能性のある方は、土葬以外の方法を検討してください。
そもそもマンションやアパートの共用部分である庭への埋葬は、基本的にはNGであるため注意が必要です。
ペットを庭に埋めて供養するメリット
亡くなったペットを庭に埋める行為には、少なからずメリットがあります。ここでは亡くなったペットを庭に埋めて供養するメリットを紹介します。
費用がかからない
亡くなったペットを庭に埋めることで費用の節約になります。
ペット霊園や寺院で供養する場合は、少なからず年間の管理費用が発生しますが、庭に埋めれば管理費用が一切かかりません。
ただし、費用の節約にはなるものの、異臭や害虫、不動産関連のトラブルが発生するリスクがあるため、庭に埋めて供養する場合は適切な方法での埋葬が大切です。
いつでも供養が可能
自宅の庭に埋めれば、いつでも供養できるのがメリットです。
ペット霊園や寺院に納骨すると、お墓参りのために足を運ばなければなりませんが、自宅にお墓があればいつでも好きな時に供養できます。
「大切なペットと少しでもそばにいたい」と考える方にとっては、メリットとなるでしょう。
どうしてもペットを庭に埋めるならお墓に適した場所へ
適切に火葬してから埋葬したほうが少ないリスクで供養できますが、どうしても庭に埋めるのであれば、お墓として適した場所へ埋葬することが重要です。
ここでは、ペットを埋めるのに適した場所について紹介します。
十分な広さがある場所
ペットを庭に埋める場合は、十分な広さがある場所を確保してください。
特に深く穴を掘れる場所かどうかが重要で、掘った穴が浅い場合は、雨などの天候の変化でペットの遺骨が露出してしまいます。最低でも1m近く深く掘れる場所が適しています。
また、浅い穴は野生動物に荒らされてしまう危険性もあります。万が一ペットの遺体が表層に現れてしまった場合は、飼い主とはいえショックを受けてしまうことがあるでしょう。
そのため、庭にペットを埋める場合は愛するペットの遺体を守る意味でも、広さと深さを確保できる場所を選んでください。
水はけの良い場所
ペットを庭に埋葬するのであれば、できるだけ水はけのよい場所を選びましょう。
水はけの悪い場所は、雨がふると水たまりができやすく、場合によっては埋めた遺骨が土から露出してしまう可能性があります。
特に腐敗途中の遺体の場合は異臭が発生する可能性もあるため、水はけの良い場所に埋葬するようにしてください。
日当たりや風通しの良い場所
日当たりや風通しの良い場所も、亡くなったペットを埋めるのには最適です。
庭にペットを埋めてお墓を作った場合、少なからずカビなどが発生するリスクがありますが、日当たりや風通しの良い場所であれば、それらのリスクを回避できます。
また、日陰やジメジメした場所は供養する場所としても良い雰囲気とはいえません。明るくスッキリとした環境を用意して、大切なペットを供養してあげてください。
土葬以外にペットを供養する方法
供養の方法に正解はありませんが、一番大切なのはペットに対する気持ちです。ペットとの別れの気持ちがあれば、庭に埋める土葬だけでなく、さまざまな方法で供養ができます。
ここでは、土葬以外のペットを供養する方法について紹介します。
火葬後にペット霊園や寺院で供養
ペットが亡くなった場合、火葬後にペット霊園や寺院で供養してもらう方法が一般的です。
ペットを火葬した後、ペット霊園や寺院の供養塔や樹木葬墓地などに納骨します。供養塔や樹木葬墓地は、合祀墓地(共同墓地)という形で他のペットの遺骨と一緒に納骨されます。
そのほか、ペット霊園や寺院によってはペット専用に個別のお墓を作ることが可能です。お墓を設置するスペースを借り墓石も建てるため、共同墓地よりも費用がかかります。
個別のお墓を作った場合、定期的にお参りに行かなければ亡くなったペットも寂しい思いをしてしまうため、定期的にお参りに行ける距離かどうかも判断基準となります。
自然葬によって散骨する
火葬したペットの遺骨を粉末状にして散骨する自然葬があります。
大切なペットを自然に還すことができるうえ、管理費等の維持費もかからないため、費用面でも大きなメリットの多い方法です。ただし、他人の所有地や法律で禁止されている土地での散骨はトラブルの原因となるため注意が必要です。
また、遺骨を完全な粉末状にせず海などに散骨すると、通報により警察に回収されたり、ゴミとして処分されてしまう可能性もあるため、自然葬の最低限のマナーとして守りましょう。
手元供養する
大切なペットを近くに感じるために、自宅で遺骨を供養する手元供養という方法もあります。
火葬後の遺骨を骨壷に収めて自宅の仏壇などに安置します。お墓に入れないため、管理費等の維持費がかからないメリットもありますが、何よりも大切なペットを常に近くに感じられる点が大きな魅力といえるでしょう。
仏壇がない家庭でも、骨壷とあわせて遺影・おりん・線香立てを用意し、お参りする環境を整えることも可能です。
また、最近では粉末状にした遺骨を入れるカプセル型の入れ物など、仏具に見えないようなものも多くあり、亡くなったペットを近くに感じられるように肌見放さずに持ち歩く方もいます。
小動物ならプランター葬も可能
小鳥やハムスターのような小動物であれば、プランター葬も可能です。
プランター葬であれば、庭のないマンションなどにお住まいの方でも、火葬せずに自然に還すことができます。また、今後引っ越しの予定がある方でも引越し先にそのままプランターごと持っていける点もメリットです。
ただし、土に還るまでは長い年月がかかってしまうため、腐葉土などを混ぜて遺体の分解を早める工夫も必要です。
まとめ
亡くなったペットの供養は、何よりもお別れの気持ちが大切です。さまざまな供養の方法がありますが、庭に埋めた場合はトラブルが発生するリスクがあります。
供養のためにと自宅に埋めたペットが原因でトラブルが発生してしまえば、飼い主はもちろんのこと、亡くなったペットに対してもきちんとした供養ができません。
周囲に迷惑をかけず適切な方法で行う供養こそが、亡くなったペットの供養につながります。
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