ペットの遺骨はどうするべき?自宅に置いておくと良くない理由とは
飼っていたペットが亡くなったとき、どのような供養方法があるかご存知でしょうか。
遺体は火葬するのが一般的ですが、遺骨の供養方法は飼い主によってさまざまです。
人間と同じようにお墓に埋葬する方もいれば、自宅に保管する方もいます。
この記事では納骨や自宅供養など、各供養方法の特徴や費用、自宅供養が良くないといわれる理由を解説します。
ペットを飼っている方、ペットが亡くなってどうすればよいか困っている方はぜひ参考にしてください。
ペット供養の流れ
ペットが亡くなったときは、早めの安置が必要です。
その後火葬、収骨、納骨の流れで供養します。
土葬する方法もありますが、公共の土地や他人の私有地では法律違反となる可能性が高く、現在は火葬が一般的です。
亡くなった直後から収骨までの流れを解説します。
安置
ペットが亡くなってしまったとき、気が動転してしまう方は多いでしょう。
しかし、遺体の放置はよくありません。
犬や猫など人間よりも小さい動物は死後硬直が始まるのが早く、速やかに安置が必要です。
体液が漏れたりダニやノミが体から出たりする可能性があるため、タオルにくるんで段ボールやお気に入りのペット用ベッドに安置します。
死後硬直前に目や口を閉じ、両肢を揃えて、横たわっているときのような体の状態に整えましょう。
ドライアイスや保冷剤を遺体の下に敷き、お腹などを冷やすと腐敗進行を抑えられます。
犬の場合は自治体に死亡届を出し、飼い始めたときに交付されていた鑑札の返却が必要です。
火葬
安置後は葬儀内容を決め、葬儀社や火葬場に連絡しましょう。
悩んでいる時間が長いと遺体の腐敗が進んでしまうため、できるだけ早く依頼先や供養方法を決める必要があります。
火葬方法には、大きく分けて合同火葬と個別火葬の2種類があります。
合同火葬は他のペットと一緒に合同で火葬する方法です。
ペットが寂しくないよう他のペットと火葬したい方、費用を抑えたい方におすすめです。
火葬に立ち会ったり、遺骨を持ち帰ったりはできません。
個別火葬とは、その名のとおり飼っていたペットを単独で火葬する方法です。
合同火葬に比べて費用は高い傾向がありますが、希望すれば火葬に立ち会えたり、遺骨を持ち帰ったりできます。
収骨
火葬後は人間と同じように遺骨を拾い、骨壺に収骨します。
収骨ができるのは、個別火葬のみです。
合同火葬は他のペットと遺骨が混ざってしまうため、収骨や遺骨の持ち帰りができません。
自宅供養や個別に納骨堂・お墓へ埋葬したい方は注意が必要です。
個別火葬では、希望すれば飼い主本人が遺骨を拾えます。
収骨後は遺骨をどこに安置し、供養するか、方法を決めましょう。
依頼先の葬儀社や火葬場によっては、霊園や納骨堂があり、納骨まで対応をお願いできます。
ペットの遺骨はどうする?
ペットの遺骨に関して、守らなければならない決まりはありません。
人間と同じようにお墓に埋葬したり、自宅の仏壇に安置したり、さまざまな供養方法があります。
代表的な4つの供養方法と費用相場を解説します。
大切なペットの供養方法に困っている方は、ぜひ参考にしてください。
ペット霊園に納骨
ペット霊園は犬や猫などを埋葬できる、ペット専用の霊園を言います。
他のペットと一緒に合同で埋葬する合祀墓や個別に埋葬する個別墓、人間も一緒に納骨できるお墓など種類はさまざまです。
合祀墓は個別墓よりも納骨費用が安く、年間管理料を無料としている霊園も多いです。
ただし、お供え物や遺影を個別に供えられない点には注意しましょう。
個別墓は、墓石を好みに合わせて選べ、個別にお供え物や遺影を供えられるメリットがあります。
合祀墓より納骨費用が高い点や、年間管理費がかかる点がデメリットです。
合祀墓と個別墓の納骨費用は霊園によって幅広く、1万〜40万円が相場、年間管理料の相場は1万〜2万円です。
また、人間も一緒に納骨できるお墓は100万〜250万円の納骨費用がかかります。
人間用とペット用が一体型になっているお墓もあれば、人間用とペット用がそれぞれ独立したタイプもあります。
納骨堂に納骨
納骨堂とは、骨壺に入れたまま遺骨を安置する、屋内型のペット霊園です。
ロッカー式や棚式、仏壇式など種類はさまざまです。
個別だけではなく、合同の納骨スペースがある納骨堂もあります。
屋内にあり天候に左右されることなくお参りできますが、お参り時のお供え物や時間には制限がある場合があります。
専有スペースが少ないロッカー式や棚式は比較的安く、ある程度スペースが必要な仏壇式は価格が高めです。
施設によって費用は異なりますが納骨費用の相場は合祀タイプで5千〜3万円、個別タイプで1万〜35万円、さらに年間管理料として1万〜3万円がかかります。
自宅供養
自宅供養は手元供養とも呼ばれ、名前のとおり遺骨を自宅など身近な場所に置いて供養する方法です。
自宅供養に決まりはなく、遺骨を骨壺に納めて自宅に置いておく方法や遺骨をアクセサリーにして身につける方法などがあります。
自宅供養にかかる費用は、方法やアクセサリーの種類によってさまざまです。
自宅に置いておく場合、遺骨を粉骨してから骨壺に納めるのが一般的です。
骨壺のみを祀ったり人間と同じように仏壇を用意したり、自由に供養方法は決められますが、家族や客人のなかには不快に思う方もいるため注意しましょう。
アクセサリーにする場合は、遺骨を粉骨してから、ネックレスやキーホルダーに入れます。
紛失しないよう、自宅で外すときの置き場所を事前に決めておきましょう。
散骨
散骨は、自然葬の1つで、遺骨を海や山などに撒く方法です。
亡くなったペットを自然に還したい方、ペットとの思い出の場所で供養したい方に人気があります。
散骨は、おこなう前の準備と土地の選定に注意が必要です。
散骨では、撒く前に遺骨を粉骨する必要があります。
理由は遺骨をそのまま撒くと自然に還るのに時間がかかり、万が一見つかったときに人間の骨と勘違いされて大きな問題になる危険性があるからです。
粉骨は業者に頼む場合、5千〜1万円が費用相場です。
散骨を禁止している法律はありませんが、自治体によっては散骨を禁止している場所があります。
公共の土地や他人の私有地へ勝手に散骨することは、法律違反となる可能性があるため注意が必要です。
個人で粉骨や撒いてよい土地の判断が難しい場合は、代行業者に頼みましょう。
納骨のメリット・デメリット
ペットの遺骨をどうするかは自由に決められる反面、どのようにするべきか迷ってしまう方が多いでしょう。
遺骨を納骨する場合のメリット・デメリットを解説します。
メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、供養方法を決めてください。
メリット
納骨するメリットは、気持ちの整理をつけやすい点です。
大切なペットが亡くなったあと、しばらく何も考えられなかったり、悲しみに暮れてしまったりする方が多いでしょう。
自宅供養で遺骨がずっと家にある状態では、ペットロスが長引く可能性があります。
人間と同じように火葬し、きちんと納骨することで、亡くなった事実を受け入れて前に進みやすくなります。
また、埋葬や散骨をする場所に困らない点もメリットの1つです。
他人の私有地などへの勝手な埋葬・散骨は、法律違反となる危険性があります。
信頼のおけるペット霊園や納骨堂に納骨できれば、場所に困ることなく遺骨を供養できます。
デメリット
納骨するデメリットは、費用がかかる点です。
ペット霊園や納骨堂などでは、納骨費や年間管理費がかかります。
比較的安価な納骨堂でも合祀タイプで5千〜3万円、個別タイプで1万〜35万円、年間管理料として1万〜3万円が必要です。
お墓を建てる場合は1万〜40万円と、さらに高額な費用がかかります。
また人間も一緒に納骨できるお墓を利用する場合、費用がかかるだけでなく、家族と意見が合わずトラブルになる可能性が高い点もデメリットです。
人間がペットと同じお墓に入ることへ抵抗感がある方も多いです。
飼い主本人だけでなく、家族が納得できる方法を選ぶ必要があります。
自宅供養のメリット
自宅供養のメリットは、毎日いつでも供養ができる点と予算に柔軟な点です。
ペット霊園や納骨堂に納骨した場合、お参りするたびに施設へ行く必要がありますが、自宅供養では遺骨が身近な場所にあるためいつでも供養できます。
亡くなったあともペットを身近に感じ、見守ってくれているような安心感を得られるでしょう。
自宅供養は決まった方法がなく、予算が少ない場合は、骨壺を自宅に安置するだけでも問題ありません。
利用費が必要なペット霊園や納骨堂への納骨と異なり、予算や好みに合わせて方法を決められます。
また、自宅供養のタイミングや期間に決まりがない点もメリットです。
火葬後すぐに遺骨を持ち帰って自宅に安置するのが一般的ですが、一定期間納骨堂に納骨したあと、アクセサリーにする方法もあります。
ペットの自宅供養が良くないといわれる理由
管理上の問題や宗教上の問題など、さまざまな理由で自宅供養を良くないと考える方は多いです。
友人が自宅に来たときペットの遺骨が安置されていて驚かれた、納骨しないと良くないといわれたなどの経験がある方もいるでしょう。
良くないといわれるおもな理由を4つ解説します。
法律・宗教上の考え方
ペットの自宅供養は日本の法律上問題ありません。
しかし、違法だと勘違いしている方も少なからず存在します。
人間の場合と異なり、ペットの自宅供養を禁止する法律はありません。
法律上良くないと考えている方へはきちんと説明して理解を得ましょう。
また、宗教上問題があるとして、良くないと考えている方もいます。
一般的に猫や犬などのペットは宗教を持っておらず、宗教上の決まりには当てはまりません。
ただし、飼い主本人が信仰している宗教に合わせたいと希望する場合は、宗派を意識した供養をおこなえます。
カビが生える可能性
ペットの自宅供養が良くないと考えられる原因に、カビの問題があります。
ペットの遺骨は適切に管理しないとカビが生えたり、傷んだりするため注意が必要です。
火葬後の遺骨は無菌状態ですが、長期間自宅に安置すると、空気中の湿気を吸ってカビが発生する可能性があります。
カビは一度発生すると、驚異的な繁殖力で遺骨全体に広がります。
直射日光が当たらない、風通しのよい場所に安置しましょう。
密閉パックや養生テープを使って骨壺を密閉したり、遺骨が湿気を吸収しないよう吸湿剤を使ったりするのも方法の1つです。
カビは人間の皮膚に付着しているタンパク質やミネラルを栄養としています。
遺骨に素手で触れなければならないときは、カビに栄養を与えないよう、手袋を使用しましょう。
ペットロスが長引く
自宅供養は亡くなったあともペットと一緒にいられる反面、なかなか死を受け入れられず、ペットロスが長引く可能性があります。
身近な場所に遺骨を安置すると、ペットと一緒に過ごした思い出やペットの存在が薄れにくくなり、良くないと考える方も多いです。
ただし、ペットロスの乗り越え方は人それぞれです。
亡くなったあともペットを身近に感じられるほうが、喪失感が和らぎ、徐々に死を受け入れられる方もいます。
ペットロスを長引かせるから自宅供養は良くない、とは一概にいえません。
供養ができない可能性
自宅供養の場合、万が一飼い主が亡くなったり入院したりしたとき、ペットの供養ができない可能性があります。
仏壇に安置していても、ペットの遺骨を先祖代々受け継ぐのは難しいです。
事情を知らない家族が、遺品整理のときに遺骨を捨ててしまう可能性もあります。
大切なペットをきちんと供養するためには、自宅供養の期限を決め、最終的には納骨することをおすすめします。
自宅供養や納骨のタイミングに決まりはありません。
火葬してすぐに納骨するのではなく、心の整理がつくまで一定期間自宅に安置する方法もあります。
ペットの供養方法の決め方
ペットの供養方法にはさまざまな種類があり、人によって供養に対する考え方は違いますが、方法を決めるのは飼い主本人とその家族です。
ペットの場合、人間と違って亡くなってから葬儀や供養をおこなうまでの日数に決まりはありません。
衛生面上の観点から、亡くなった当日や翌日に火葬をするのが一般的です。
他人に良くないといわれたからといって、飼い主本人が納得できない方法で供養するのはおすすめできません。
ペットが亡くなった直後に、気が動転している状態で火葬方法や依頼先・埋葬先を決めるのは困難です。
焦らず、家族で話し合って最適な供養方法を見つけましょう。
まとめ
ペットの供養方法にはさまざまな方法があり、亡くなってからもペットを身近に感じられる、自宅供養を希望する方も増えています。
ただし、自宅供養は遺骨の管理が難しく、良くないと考える方もいるため注意が必要です。
ペットマザー川崎橘ペット霊園は、川崎市内高津区、元慶2年開基の蓮花寺の敷地内にあります。
火葬場や納骨堂、個別・共同墓地などが揃っていて、葬儀から供養まで安心してお任せできます。
ペットの供養方法で悩んでいる方は一度お問い合わせください。