うさぎの平均寿命は何歳?種類による違いや長生きしてもらうための秘訣を紹介
うさぎを飼っている方や飼いたい方にとっては、寿命がどれくらいなのか気になるところではないでしょうか。
うさぎは種類によって平均寿命は異なりますが、飼育環境の変化に伴い、昔に比べると寿命は伸びてきています。
ペットを迎え入れるときに、どれくらい一緒にいられるかは重要なポイントのひとつです。
平均寿命を把握することで、最期を迎えるときまでお世話できるかを考えるきっかけにもなるでしょう。
この記事では、うさぎの平均寿命や長生きしてもらうためにできることを紹介します。
うさぎの平均寿命は約8歳
うさぎの平均寿命は約8歳といわれています。しかし、近年は飼育環境の変化によって、10歳を超えているうさぎも珍しくありません。
また、寿命の長さは個体差や種別の違い、生活環境によっても異なるため、一概にはいえない部分もあります。
ここでは、うさぎの年齢を人間に換算した場合や平均寿命が伸びている理由、ギネスに登録されている最長寿命などを紹介します。
うさぎの年齢は人間に換算するとどれくらい?
うさぎの年齢を人間に換算するとどれくらいなのでしょうか。以下の表では、うさぎの年齢が人間でいうとどれくらいになるのか、おおよその値をまとめています。
うさぎの年齢 | 人間の年齢 |
---|---|
1歳 | 17歳~20歳 |
2歳 | 27歳~29歳 |
3歳 | 34歳~36歳 |
4歳 | 40歳~44歳 |
5歳 | 46歳~52歳 |
6歳 | 52歳~60歳 |
7歳 | 58歳~68歳 |
8歳 | 64歳~76歳 |
9歳 | 71歳~84歳 |
10歳 | 76歳~90歳 |
うさぎは生後1年ほどで大人になって、体型や運動能力が安定します。その後は、1歳ごとに人間でおよそ6歳から7歳ほど年をとっていきます。
また、うさぎは以下のように年齢によって大まかに区分されます。
- ~1歳:成長期
- 1歳~4歳:維持期
- 4歳~7歳:中年期
- 7歳~:高齢期
高齢期になると食べ物に興味を示さなくなり、縄張りに対する意識も低下し、行動範囲も次第に狭くなるのが一般的です。
うさぎの平均寿命は伸びている?
うさぎの平均寿命は少しずつ伸びています。
長生きできるようになった理由として、フードの開発が進んだことや、体調管理に関する知識が飼い主に増えたことなどが挙げられるでしょう。
うさぎがペットとして人気となったことで治療する獣医師が増えたことや、早期の避妊治療によって病気を防げるようになったことも理由としてあります。
また、環境エンリッチメントが普及したことも大きいです。環境エンリッチメントとは、動物福祉の立場から飼育動物の幸福な暮らしを実現するための対策のことをいいます。
飼育動物の福祉と健康の両面で幸せな暮らしを実現するために、動物の本能的な行動を引き出せるような飼育環境が整ってきたことも、長生きするうさぎが増えた理由といえるでしょう。
ギネスに登録されたうさぎの最長寿命は?
世界ギネスレコードによると、世界で最も長生きしたうさぎの年齢は18歳10ヶ月です。
オーストラリアに暮らしていたフロプシーといううさぎで、人間の年齢に換算すると約120歳〜130歳となります。
日本で一般的に飼育されているうさぎとは異なり、もともとは野うさぎでした。
一方、ペットうさぎのギネス記録はアメリカイリノイ州のミックといううさぎで、16歳で認定を受けています。
年齢を重ねるうちに関節の炎症や体調不良に見舞われましたが、飼い主のサポートによって長生きできました。
うさぎの種類と平均寿命について
うさぎの平均寿命は種類によって異なります。ここでは、代表的なうさぎの種類と平均寿命を紹介します。
野生うさぎ
野生うさぎの平均寿命は2歳~3歳です。平均寿命に比べて大幅に低いのは以下のような理由があるためです。
- 常に水や食料が得られるわけではない
- ケガや病気をしても治療ができない
- 天敵が多い
野生うさぎは天敵が多く、一度でもケガや病気をすると命を落とす可能性が高くなります。また、強いオスやメスとの縄張り争いが致命傷になることも少なくありません。
一方、ギネスに認定されている長寿のうさぎはもともと野生だったことからもわかるように、環境が整っていればさらに寿命は伸びます。
ジャージーウーリー
ジャージーウーリーの平均寿命は7歳~8歳で、一般的な飼いうさぎの平均寿命とほとんど変わりません。
ジャージーウーリーは長毛種特有のふわふわで長い毛を持ちながら、気品があっておとなしく穏やかな性格をしています。
顔の毛は身体より短くなっているため、かわいい顔立ちや目が隠れることなく、さらにお世話もしやすい小型品種であることから人気です。
一方、毛が長いことから毛玉を間違って食べてしまい、胃や腸などの消化器官で毛玉となってしまう毛球症にかかりやすくなっています。
また、暑さに弱いことから適切でこまめな温度調整が必要であり、エアコンやケージの置き場所に注意し、水分補給がしやすい環境を整えて熱中症対策を行うことも大切です。
ネザーランドドワーフ
ネザーランドドワーフの平均寿命は7歳から8歳で、一般的な飼いうさぎの平均寿命とほとんど変わりません。
ネザーランドドワーフは小さくて丸くて耳が短いという特徴があり、体重はおよそ1kgほどでうさぎの中では最小品種になります。
ぬいぐるみのような見た目とは裏腹に野性味が残るところがあって警戒心が強いですが、飼い主に心を許すと甘えたり、すり寄ってきたりします。
神経質な性格をしていることからストレスが溜まりやすく、適切に食事をしないと胃腸の動きが弱くなって、食べ物の消化ができずにお腹にガスが溜まる「胃腸うっ滞」という病気にかかることがあります。
また、生まれつき顔が小さいことから目と鼻をつなぐ管が詰まって狭くなる「鼻涙管狭窄」という病気になりやすく、涙が目にあふれ出て脱毛や皮膚炎になることもあります。
アメリカンファジーロップ
アメリカンファジーロップの平均寿命は7歳〜10歳で、比較的長く生きることができる種類です。
アメリカンファジーロップは長く垂れた大きな耳とやや縮れた長毛が特徴であり、性別によらず体長は30cmほどで垂れ耳うさぎの中では最小クラスとなっています。
性格は優しくて人懐っこく、抱き上げたり触ったりしても嫌がることはほとんどありません。
長毛という特徴があるため、毛の手入れを怠ると皮膚病にかかりやすくなります。
毛が絡みやすく毛玉にもなりやすいため、通気性が悪くなってカビが原因の皮膚病を引き起こすことや、皮膚炎になることもあります。
また、垂れ耳であることから耳の内部の通気性が悪く、「耳炎」になりやすいのも特徴です。暑さにも弱いため、熱中症対策が欠かせません。
ホーランドロップ
ホーランドロップの平均寿命は10歳~12歳で、他の種類に比べて長生きしやすい特徴があります。
ホーランドロップは垂れ耳うさぎの中でもっとも小柄な種類であり、大きな顔に垂れ耳と愛嬌のあるつぶれたような丸顔が人気です。
オランダのブリーダーによって作られた品種で、ネザーランドドワーフとフレンチロップの交配からスタートした歴史があります。
性格はおだやかでおとなしく、温厚で警戒心もそこまで強くありません。人に対して懐きやすいため、初めてペットを飼うという人でも飼いやすい特徴があります。
垂れ耳という特徴があるため、湿気が溜まりやすく耳炎にかかりやすい傾向にあります。
耳の中のケアや仕草を細かくチェックし、異変がある場合は早めに動物病院で診てもらうことが大切です。
ミニうさぎ
ミニうさぎの平均寿命は10歳~12歳で、他の種類に比べて長生きしやすい特徴があります。ミニうさぎは正確な品種ではなく、ミックスうさぎの中でも小柄な種類の総称です。
大型のうさぎに比べて小さいというだけで、特別に小さいわけではなく、ネザーランドドワーフやホーランドロップなどに比べると大きく成長します。
性格は個体によって大きく異なり、神経質なタイプもいれば、おおらかで人懐っこいタイプもいます。
また、うさぎの歯は生涯伸び続けており、草をすりつぶして歯を摩耗することで適切な長さが保たれますが、うまくいかずにかみ合わせがおかしくなる不正咬合になることがあります。
繊維質の多い草をたくさん食べさせたり、動物病院で定期的に歯のチェックをして必要に応じて削ってもらったりすることが効果的な予防法です。
うさぎに長生きしてもらうためにできること
うさぎの平均寿命が伸びたのは飼い主の飼育意識の向上が大きいといえます。ここでは、うさぎに長生きしてもらうためにできることを紹介します。
ストレスを溜めない
うさぎは野生だと敵に追われる立場であることから、本能的に警戒心が強く聴覚や嗅覚も敏感であるため、ストレスを感じやすい特徴があります。
ストレスが溜まると問題行動や体調不良を引き起こし、それがきっかけで病気になって命を落とすことにもなりかねません。
頻繁に耳を立てたり、鼻をひくひくと動かしたりしているときは、ストレスが溜まっている可能性があります。
何よりも、うさぎにストレスがかからない生活環境を整えることが大切で、ケージは静かで直射日光があたらない場所に置き、温度管理を徹底して掃除も毎日行って清潔を保ちましょう。
また、日頃からコミュニケーションを大切にして、うさぎとの信頼関係を築くことも重要です。
飼い主がいることでうさぎが落ち着ける状態を作ることによって、安心感が高まってストレスを感じにくくなるでしょう。
ごはんの量をチェックする
健康を保つためにも与えるごはんの量を日々チェックし、食欲の変化に気づけるようにしましょう。
病気になると食欲が低下し、さらには胃腸の運動機能が低下してお腹にガスが溜まって絶食状態になる場合もあります。
このような状況を防ぐためにも、食欲の変化には敏感であることが重要です。
また、うさぎの基本的な食事は牧草で、栄養価が高いだけでなく、歯の伸びすぎを防ぐことや消化器官を守る働きもあります。
ただし、牧草だけを与えていては健康な身体を作って維持することはできないため、ペレットフードと呼ばれる固形の栄養補助食や野菜、果物などのおやつも適量に与えましょう。
乾燥した食物が多いため、飲み水を切らさないように管理することも大切です。
運動をしっかりさせる
飼育されているうさぎは長時間ケージの中で過ごすため、適度な運動をさせてストレスを解消させることが大切です。
1日30分から120分を目安にケージから出して適度に運動をさせたり、好きなタイミングで運動できるようにサークルで囲ったりするのもよいでしょう。
ただし、うさぎの活動量はそこまで多くなく、ケージから出してもじっと過ごしていることもあります。
中には運動が好きではない性格のうさぎもいて、無理に動かすことがストレスになる場合もあるため注意しましょう。
排泄物の状態をチェックする
うさぎの長生きをサポートするためには、排泄物から健康かどうかをチェックすることも大切です。
健康な場合は黄色くて水に近いくらいサラサラした尿や、丸っこくて少し牧草が入っているようなころころした便が出ます。
一方、うさぎは盲腸便といって柔らかくて粘膜に包まれたブドウの房状の便をして食べることもありますが、こちらも問題はありません。
この盲腸便には栄養が多く含まれており、足りない栄養分を補うための便です。
体調が悪いときは、茶色っぽい尿や血尿がでたり、下痢が出たりするため、続くようなら動物病院で診てもらいましょう。
排泄物の状態をしっかりと毎日見て、いち早く体調の変化に気づいてあげましょう。
まとめ
うさぎの平均寿命は約8歳ですが、10歳を超えることも珍しくなく昔に比べて伸びています。
飼い主として大切な家族には少しでも長生きしてもらい、幸せに過ごして欲しいと思うものですよね。
寿命が長くなったことでうさぎと過ごせる時間も多くなりましたが、デリケートな動物なので、食事管理や適度な運動、掃除など適切な管理を行うことが大切です。
種類ごとに性格も異なるため、品種の特性を踏まえながら愛情を注いであげましょう。
寿命が伸びたといっても人よりははるかに短く、お別れの時もやってきます。一緒に過ごした時間を大切にすると共に、その日が来たときには安らかに送り出してあげることも大切です。
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