ペット火葬のみの選択はできる?依頼先と費用・火葬後の選択肢を解説
大切なペットとのお別れのとき、火葬後の供養は含めず、火葬のみを希望する飼い主さんは少なくありません。
シンプルな見送りをしたい、供養方法が定まっていない、費用を抑えたいなど理由はさまざまです。
ただし、ペットの火葬を個人で行うことは法律で禁止されているため、専門の業者に依頼する必要があります。
この記事では、ペット火葬のみの選択ができる依頼先の種類や選び方、費用の相場、そして火葬後の選択肢について詳しく解説します。
ペット火葬のみ行える依頼先の種類
ペット火葬の依頼先には、主にペット専門の火葬業者と自治体の火葬施設の2種類があります。それぞれに特徴があるため、飼い主さんの状況や希望に合わせて選択してください。
ここでは、これらの依頼先を選ぶ際のポイントについて詳しく見ていきましょう。
ペット専門の火葬業者
ペット専門の火葬業者は、ペットの火葬に特化したサービスを提供し、飼い主さんの心に寄り添った丁寧なサポートを受けられます。
特徴は、さまざまな火葬プランです。他のペットと一緒に火葬する合同火葬や、個別に火葬を行い飼い主さんが立ち会える立会い個別火葬、個別に火葬を行い立ち会わない個別一任火葬など、飼い主さんの希望に応じて選択できます。
儀式や供養、遺骨の加工などのオプションサービスも用意されていることや、24時間365日対応している業者も多く、急なペットの死にも迅速に対応してくれます。
中には、自宅までお迎えの車や葬儀車での訪問サービスを提供する業者もあり、移動が難しい大型犬や、外出が難しい飼い主さんにとっては便利な存在です。
儀式や供養、オプションサービスなどを外して火葬のみを選択することも可能なため、見積もりをとる際にあらかじめ希望を伝えておくと良いです。
料金面では、自治体の火葬施設と比べて高額になる傾向がありますが、その分きめ細かいサービスを受けられるでしょう。
自治体の火葬施設
自治体でのペット火葬は、飼い主にとって費用面でメリットの大きい選択肢です。
多くの場合、民間業者と比べて格安で火葬サービスを利用できるため、経済的な負担を抑えたい方にぴったりです。
ただし、自治体によってペットの遺体の扱いはさまざまで、注意すべき点がいくつかあります。
まず、ペットの遺体は一般廃棄物として扱われることが多く、ゴミと一緒に火葬される自治体もあり、丁重な扱いを期待するのは難しいでしょう。
火葬方法は合同葬儀が主流であり、個別火葬や立ち会いができないケースがほとんどです。
そして、高温で焼くことにより骨が残らないため、遺骨が返骨されないケースが多く、火葬後の供養方法が限られてしまう可能性があります。
また、自治体のサービスは平日の営業時間内に制限されることが多いため、緊急時や休日の対応が難しい場合があります。
ペットの種類や大きさによっては火葬自体受け入れてもらえない可能性もあるため、事前の確認が必要です。
自治体でのペット火葬は、経済的な選択肢ですが、愛するペットとの最後の見送り方として十分かどうかは、飼い主さんがよく考慮する必要があるでしょう。
住んでいる地域の自治体でのペット火葬の対応を確認し、より丁寧なお見送りをしたい場合は、民間のペット火葬業者の利用も検討することをおすすめします。
個人でペットを火葬することは禁じられている
「大切なペットを自分の手で火葬してあげたい」と考える飼い主さんは大勢いるでしょう。しかし、ペットの火葬を個人で行うことは、私有地であっても法律で禁じられています。
焼却は『廃棄物の処理及び清浄に関する法律』に違反する行為となり、違反すると5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられる恐れがあります。
また、自宅での火葬は技術的にも難しく、適切な設備がないと高温での焼却ができません。
ペット火葬には通常800〜1,200度の高温が必要なため、自宅で骨だけにすることは難しく、かわいそうな姿にしてしまうでしょう。
そして、煙や臭いが発生し、近隣住民とのトラブルを考えられる可能性もあるため、専門の火葬設備のある火葬業者か自治体に依頼をする必要があります。
ペット火葬の依頼先を選ぶポイント
ペットと最後の別れをどのように迎えるかは、飼い主さんにとって大切な選択です。
火葬の依頼先を選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮することで、後悔のない見送りができるでしょう。
ここでは、ペット火葬の依頼先を選ぶポイントを解説します。
希望の火葬方法があるか
ペット火葬の依頼を先に選ぶ際、希望の火葬方法があるかどうか確認しましょう。
ペット火葬には主に『合同火葬』『個別一任火葬』『立会い個別火葬』の3種類があり、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の希望に合った方法を選ぶことが大切です。
内容 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
合同火葬 | 複数のペットを一緒に火葬する |
|
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個別一任火葬 | 個別に火葬し業者に全て任せる |
|
|
立会い個別火葬 | 個別に火葬し飼い主が立ち会える |
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火葬後の供養方法が決まっておらず、ひとまず火葬のみ行いたい、手元供養がしたい、散骨をしたいなどの場合は、手元に遺骨が返ってくる個別一任火葬か、立会い個別火葬を選択すると良いでしょう。
事前に各業者のプランやサービス内容を確認し、飼い主さんの希望に合った火葬方法がある依頼先を選んでください。
火葬の時間帯に自由があるか
火葬の時間帯に自由があり、飼い主さん家族の都合に合う選択肢がとれる業者を選びましょう。
特に、仕事や家庭の事情で日中に時間を確保するのが難しい飼い主さんにとって、柔軟な時間設定ができる業者は非常に便利です。
多くの自治体では一般的に、平日の朝から夕方までの対応で、夜間や早朝の火葬には対応していないケースが多く、火葬までの日数が延びてしまう場合があります。
民間のペット火葬業者の中には、365日24時間の受付や夜間の火葬に対応しているところも多く、突然の別れを迎えた飼い主さんにとっては大きな安心感を覚えるでしょう。
家族全員のライフスタイルや希望する送り方ができる業者を選ぶことで、悔いを残さないようにお見送りができます。
ご遺体の持ち込みの必要があるか
ご遺体の持ち込みの必要があるかは、飼い主さんの負担や費用への影響を考慮し、事前に確認しておきましょう。
多くのペット火葬業者は、ご遺体を自宅まで引き取りに来てくれるサービスを提供しているため、移動の手間を省け、特に大型のペットや車を持たない場合に便利です。
引き取りサービスはプランとは別料金の可能性もあるため、事前に各業者に確認し、予算に応じて選択してください。
火葬のみの費用相場
ペット火葬の費用は、自治体かペット火葬業者か、ペットの種類や体重、火葬する方法によって異なります。
ここでは、火葬のみの費用相場を解説します。
自治体とペット火葬業者の料金の違い
ペット火葬の費用は、地域や依頼先によって大きく異なり、特に自治体と民間のペット火葬業者では料金設定に大きな違いがあります。
自治体でのペット火葬は、一般的に非常に低価格で提供されており、地域によっては無料で引き取ってくれるところもあります。
この低価格は、自治体が公共サービスとして提供しているため、費用を抑えて多くの住民が利用できるようにしているためです。
一方、民間のペット火葬業者は、より多様なサービスを提供しており、費用は10,000~50,000円が相場です。
費用を重視する場合は自治体を選ぶことでコストを抑えられますが、サービス内容や供養方法にこだわりたい場合は民間のペット火葬業者を選んだ方が良いでしょう。
火葬方法による料金の違い
ペット火葬の費用は、選択する火葬方法によっても異なります。
以下は、柴犬を火葬する場合の火葬相場です。
合同火葬 | 個別一任火葬 | 立会い個別火葬 |
---|---|---|
10,000円~20,000円 | 20,000円~25,000円 | 25,000~30,000円 |
火葬方法を選ぶことによって費用が異なるため、自分の希望や予算に合ったプランを選んでください。
費用を抑えたくて火葬のみを希望する飼い主さんは、遺骨を手元に残したい場合や決まっていない場合は個別一任火葬、特にこだわりがない場合は合同火葬を選択すると良いでしょう。
ペット霊園で火葬する場合は、共同墓地への埋葬料金が含まれているケースがあるため、事前に確認することをおすすめします。
ペットの大きさ・体重による料金の違い
火葬に必要な時間や燃料がペットの体重に比例して増加するため、ペット火葬の費用は、ペットの大きさや体重によって大きく異なります。
以下は、ペットマザー大阪葬儀場の個別火葬の料金です。
ペットの大きさ・体重 | 火葬料金(税込み) |
---|---|
ハムスター・小鳥 | 8,580円 |
フェレット・ウサギ・モルモット | 12,980円 |
猫・チワワ・ポメラニアン | 18,480円 |
トイプードル・ヨーキー | 18,480円 |
シーズー・ミニチュアダックス・マルチーズ | 19,580円 |
ビーグル・柴犬・シェルティー・パグ | 21,780円 |
ビーグル・柴犬 (~20㎏・85㎝) |
25,080円 |
レトリバー・ハスキー (~25㎏・95㎝) |
29,480円 |
レトリバー・ハスキー (~30㎏・100㎝) |
34,980円 |
レトリバー・ハスキー (~35㎏・120㎝) |
41,800円 |
個別火葬の料金は、火葬料金に選択内容の料金を足した、合計金額となります。
選択内容は、自宅までのお迎え、お骨のお届け、骨壺のサイズなどがあり、お問合せ時に合計金額をお伝えしています。
費用は地域や業者によっても異なるため、事前に複数の業者から見積もりをとって、希望や予算合った選択をしてください。
ペット火葬の費用を安く抑える方法
ペット火葬の費用を安くするには、自治体の利用や合同火葬の選択以外にも、いくつかの方法があります。
費用を安く抑える方法は、以下の通りです。
- 複数の業者から見積もりをとる
- 自分で火葬場までペットを持ち込む
- 不要なオプションサービスを外す
複数の業者から見積もりをとることで、業者によって異なるサービス内容や料金を比較し、納得のいく選択ができるでしょう。
また、自分で火葬場までペットを持ち込んだり、不要なオプションサービスを外したりすることも有効です。
自分で用意できるものは、プランから外すと費用を抑えられる可能性があります。ネット通販で購入すると安く手に入るものもあるため、見積もりをとって検討しましょう。
ペット火葬後の選択肢
ペットを火葬した後にどのような供養方法が良いかは、飼い主さんの気持ちやライフスタイルによってさまざまです。
ここでは、それぞれの選択肢の特徴について解説します。
手元供養
手元供養は、ペットの遺骨を自宅や身近な場所に保管し、日常の中で供養する方法です。ペットが亡くなった後もその存在を身近に感じていたいと願う飼い主の心の支えとなる選択肢といえます。
手元供養の方法は多様で、遺骨を骨壺に入れて自宅に置くだけでなく、遺骨を粉骨してアクセサリーに加工して保管することも可能です。
ペンダントやキーホルダーに遺骨を納めれば、外出時にどこへでもペットと一緒にいる感覚をもてるでしょう。
また、小さな仏壇や専用の祭壇を自宅に置くと、日々の生活の中で自然に手を合わせることができるのも手元供養の魅力です。
ただし、将来的に自分が管理できなくなったとき、遺骨の扱いをどうするか検討する必要があることを覚えておきましょう。
庭への埋葬
庭への埋葬は、ペットを身近に感じながら供養したい、慣れ親しんだ場所で安らかに眠って欲しいと考える飼い主さんにぴったりの選択肢です。
自宅であれば、日々の生活の中でペットを供養でき、費用面でも経済的です。
埋葬する際には、 日当たりや風通しが良く、水はけの良い場所を選ぶと、遺骨が土に還りやすくなります。
ただし、将来的に引っ越しをする可能性がある場合は、次の居住者とのトラブルを回避するため、別の供養方法も検討すると良いでしょう。
散骨
散骨は、粉末状にした遺骨を海や山に還す供養方法です。ペットが自然の一部として再び戻ることを願う飼い主さんにとって、心温まる選択肢となります。
海洋散骨は特に人気があり、広大な海にペットを還すことで、自由で開放的なイメージを持つことができます。
また、山や森林での散骨も可能ですが、土地所有者の許可を得る必要があるため、公共の場所や他人の土地での散骨には注意が必要です。
散骨の大きなメリットは、その後の管理が不要である点です。 墓石や納骨と違い、定期的な管理堂や費用負担がないため、高齢者や忙しい飼い主さんにも適しています。
ただし、一度散骨すると元に戻せないため、慎重な検討が求められます。
ペット霊園・納骨堂
ペット霊園や納骨堂の利用は、多くの飼い主のために安心できる選択肢です。
ペット霊園では、個別墓や合同墓を選べます。個別墓は、ペット専用の墓石を設置し、遺骨を個別に納める方法で、特別な場所を用意したい方に人気です。
一方、合同墓は他のペットと一緒に埋葬する形で、費用を抑えつつも供養を行いたい方に向いています。ただし、合同墓は一度納めた遺骨は取り出せないため注意しましょう。
納骨堂は、屋内に設置された施設で、遺骨を保管するスペースを提供してくれます。屋内にあるため、天候に左右されずいつでもお参りできる利便性があり、多くの場合、年間契約で利用可能です。
ペット霊園や納骨堂では、定期的な法要や供養祭を行っているケースが多く、僧侶による読経なども受けられます。
まとめ
ペット火葬のみを行いたい場合、予算や希望の供養方法によって、自治体かペット火葬業者、火葬方法を選択してください。
費用を抑えたいなら自治体かペット火葬業者の合同火葬、火葬後の供養方法が決まっていないなら個別一任火葬か立会い個別火葬を選択すると良いでしょう。
ペットマザー大阪火葬斎場では、火葬のみの対応も受付ています。
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ペットの火葬をご検討の方は、ペットマザー大阪火葬斎場にご相談ください。