ペット火葬前の箱に適切なものは?作り方や副葬品の選び方を紹介
ペットの火葬を控えた飼い主さんにとって、大切な家族であるペットを最後にどのように送り出すかは重要な問題です。火葬前に使用する安置するための箱や棺について悩んでいる飼い主さんも多いでしょう。
ペットとの最後の時間を大切に過ごすために、正しい知識を身につける必要があります。
この記事では、ペット火葬に適した箱の選び方や自作方法、そして一緒に入れられるものや避けるべきものについて詳しく解説します。
ペットを箱に入れる理由
ペットを亡くした後、火葬までの期間、ご遺体を箱に入れて安置する必要があります。
ここでは、箱に入れて安置する理由を解説します。
ご遺体をきれいな状態に保つため
ペットを火葬までの期間中、箱に入れて安置する主な理由の一つは、ご遺体をきれいな状態に保つためです。
箱の中に保冷剤と一緒に安置することで、冷気を逃げにくくし、保冷効果を高められるでしょう。特に夏場は腐敗のスピードが早いため、注意が必要です。
また、空気中の微生物・虫などの付着や臭いの漏れるのを防ぎ、清潔な状態を維持できます。
時間の経過とともに、ペットの体から体液が出てくることもあるため、箱の中にペットシーツや新聞紙を敷いて体液を吸収し、外に漏れるのを防ぎます。
スムーズに運べる
箱を使用することで、ご遺体の移動がスムーズになります。
特に中型犬以上のペットの場合、複数人で持ち運ぶため、箱なしでの移動は非常に困難です。箱があれば、ご遺体を衛生的に保ちながら、車への積み込みや火葬場への移動が簡単にできます。
持ち手のある箱を選ぶと、移動中の負担も軽減されるでしょう。
安置用の箱と火葬用の箱
ペットを火葬する際、安置用の箱と火葬用の箱はそれぞれ異なる役割を果たします。
安置用の箱は、保冷や衛生が主な目的で使用され、火葬用の箱は、遺骨をきれいに残す目的で使用されます。
安置用の箱は、一緒に火葬しないため、通常のダンボールや発泡スチロールで問題ありませんが、火葬用の箱は木製の箱や棺、火葬できる特殊なダンボールでできていることが一般的です。
発泡スチロールや通常のダンボールでできた安置用の箱をそのまま火葬できるわけではなく、一般的にペット火葬の際には、火葬用の棺に移すか、火葬炉に移動されます。
あくまで安置用の箱は、火葬までの期間に使用する保冷用の箱として考えましょう。
ペット火葬業者によっては、火葬前に棺を手配してくれる場合もあるため、見積もり時に確認をしておくことが大切です。
ペット火葬前の箱は手作りできる?
ペットが亡くなったとき、突然の出来事に備えて棺を事前に準備している飼い主さんは少ないでしょう。ペットとの別れは予期しがたいものであり、多くの場合その時を迎えてから準備を始めます。
亡くなったあとも、ペット用の棺をすぐに用意することは難しいでしょう。
ここでは、ペット火葬前の箱を手作りする方法について解説します。
棺にふさわしい素材
ペット火葬前にペットを安置する箱は、一般的にそのまま棺として一緒に火葬しないケースが多いです。
ペットを安置するためにダンボールを使用される方は多く、そのまま火葬すると遺骨を汚してしまったり、火葬の妨げとなったりする恐れがあるためです。
そのため、火葬前にペットを安置する箱は、一時的なもので火葬前に移し替えが必要なものとして考えましょう。
一緒に火葬する棺は、木製や火葬可能な特殊段ボール製の棺を使用します。
安置する箱を一緒に火葬しない場合は、ペットのご遺体が入るサイズであれば、素材にこだわる必要はありません。
ダンボールや発泡スチロールはもちろん、家にあるプラスチックの箱やお菓子の箱でも問題ありません。ペットのご遺体が傷まないように、保冷効果を期待できる素材を選ぶと良いでしょう。
用意するもの
ペットを安置するためには、いくつか必要な物があります。ペットと一緒に火葬しない、安置するための箱に必要な物は以下の通りです。
- ペットのご遺体が余裕をもって入るサイズの箱
- ペットシーツまたは新聞紙
- 保冷剤またはドライアイス
- タオルや毛布
まずは、ペットのご遺体を入れても余裕があるサイズの箱をご用意しましょう。ペットの体をしっかりと支え、安定させます。
簡単に手に入るダンボールが一般的ですが、ご遺体が窮屈にならないよう、少し大きめのものを選ぶと良いでしょう。
次に、ペットシーツや新聞紙は、ご遺体から体液が漏れた場合に役立ちます。 箱の底に敷いて、清潔さを保ちながら、周囲への影響を防げます。
特に夏場など気温が高い時期には、ご遺体を適切な温度で安置する必要があります。保冷剤やドライアイスをタオルで包み、ご遺体の周りに配置すると、冷却効果を高めることができます。
安置するための箱に必要なものは、ホームセンターで手に入れられるでしょう。
自宅で棺を作る方法
ペットのご遺体を安置する際には、以下の手順で作業を行います。
- 用意した箱の底に新聞紙やペットシーツを敷く
- ご遺体を優しく寝かせる
- タオルや毛布をかける
- 保冷剤やドライアイスをペットの体に触れないようにタオルや毛布の上に配置する
- 直射日光の当たらない、涼しい環境で安置する
箱の底に新聞紙かペットシーツを敷くと、ご遺体から漏れた体液を吸収し、外に漏れる心配がありません。定期的にチェックして取り替えてください。
直射日光の当たらない、涼しい日陰で安置するようにしましょう。
ペットと一緒に入れられるもの
ペットとの最後のお別れの際、棺に入れる副葬品を選ぶことは、愛するペットへの感謝と想いを込めた大切な儀式です。
ペットが生前に好きだったものや、思い出の品を一緒に入れることで、心温まるお見送りができます。ただし、副葬品として入れられる物には制限があります。
ここでは、ペットと一緒に棺に入れることができる物について詳しくご紹介します。
花
棺に入れる花は、ペットとの思い出を彩るだけでなく、感謝や愛情を表現する手段です。
花の選び方は、ペットの個性や思い出に基づいて選んだり、花言葉を元に選んだりすると良いでしょう。
例えば、いつものお散歩ルートでよく咲いていた花や、庭で一緒に過ごした時間を思い起こさせる花など、ペットとの特別な瞬間を振り返れるものが適しています。
『永遠の愛』を意味するカーネーションや白いトルコキキョウ、『感謝』の意味する白いかすみ草やピンクのガーベラを選ぶと心からの気持ちを伝えられます。
色合いについては、淡い色の花が推奨されています。 濃い色の花は火葬時に遺骨に色が移ってしまう可能性があるため、遺骨をきれいに残したい場合には注意が必要です。
最後には、ペットとの絆や思い出を大切にしながら、自分の気持ちを込めて選んだ花で送り出すことが大切です。
手紙
ペットとの思い出を振り返り、最後のお別れの言葉や感謝の言葉を手紙に綴り、ペットと共に天国に送ります。
ペットとの出会いから別れまでの思い出や、日々の生活で喜びを感じた想いや感謝を言葉にすることで、自分自身の気持ちを整理し、心の中にあるさまざまな感情を表現できます。
手紙は紙製で、火葬の際にも問題なく燃せるため、安全性も高いです。ただし、装飾には注意が必要で、ラメやプラスチック素材は避け、シンプルな紙だけで書かれた手紙が推奨されています。
写真
棺に写真を入れることは、「ペットが天国でも寂しくないように」と考える飼い主さんに選ばれています。ペットが元気だった頃の姿や、家族との楽しい思い出が写っているものを選ぶと良いでしょう。
写真を棺に入れる際には、写真用紙は火葬時に燃え残る可能性があるため、普通紙に印刷すると遺骨をきれいな状態で残せます。
また、生きている人が写っている写真は避けるべきです。これは「生者をあの世に呼ぶ」という迷信があるため、どうしても入れたい場合は写っている方に事前に許可を得ると良いでしょう。
ごはん・おやつ
生前ペットが好きだったごはんやおやつを入れてあげることで、愛情を表現できます。初めて与えたおやつや、特別な日に食べさせた食べ物など、思い出深いものを選ぶのも良いでしょう。
家族で「このおやつが大好きだったね」と思い出を語り合うきっかけになります。
ドライフードやジャーキーなどの水分が少ないものは、火葬時に燃えやすく、灰として残りにくいため、比較的安心して入れることができます。
缶詰やビニール包装のものは、そのまま火葬すると燃え残りや煙が発生する可能性があるため、中身を紙皿やティッシュに移し替えてから入れると良いでしょう。
ペットと一緒に入れられないもの
ペットと最後のお別れの際、棺に入れる副葬品を選ぶことは大切です。
ただし、中には副葬品として入れられないものが存在し、特定の素材や物品は、燃焼時に危険な煙を発生させたり、遺骨に影響を与えたりする可能性があります。
ペットと一緒に棺に入れられないものは、以下の通りです。
- 金属製品(首輪の金属部分、おもちゃなど)
- プラスチック製品(おもちゃ、容器など)
- ガラス製品(ビン、装飾品など)
- 革製品(首輪、リードなど)
以上のものは、燃え残りが発生しやすいだけでなく、燃焼時に有害なガスを発生させ、人間や動物の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、厳しく制限されています。
ただし、火葬場や業者によってルールが異なる場合があるため、事前に確認することが重要です。副葬品として入れられないものは、思い出の品として手元に残しておくと良いでしょう。
ペット火葬で使われる棺の種類
ペット火葬で使われる棺は、燃えやすく、遺骨や環境、火葬炉などに影響の少ないものが選ばれます。
棺の種類は、主に以下のような種類があります。
- 木製の棺
- 特殊ダンボール製の棺
- 布製の棺
- バスケット型の棺
木製の棺は、天然木材やヒノキで作られ、人間用の棺に似たデザインが特徴です。小窓がついているものや布団がセットになっているものもあり、最期を丁寧に送りたい飼い主さんに向いています。
段ボール製の棺は、軽量で比較的安価なため広く利用されています。ただし、通常の段ボールは火葬時に灰やススを多く発生させるため、特殊な素材で作られた段ボールが推奨されます。
化学繊維で作られた布製の棺は、ペットを包むようなデザインで、デザインも可愛らしいものが多く、サイズを気にせず使用可能です。燃えやすい素材で作られており、灰やススが残りにくいのが特徴です。
柳や藤などの天然素材で作られたバスケット型の棺は、燃えやすく灰が少ないため火葬に適しています。ゆりかごのような形状で、安らかに眠っているような姿で見送れます。
棺は、それぞれ異なる特性を持つため、ペット火葬業者と飼い主さんの希望を伝えて、最適なものを選びましょう。また、火葬場によって対応できる素材が異なるため、事前確認も必要です。
まとめ
ペット火葬前にペットを安置する箱は、ペットより少し大きめのサイズのダンボールや発泡スチロールで問題ありません。
多くの火葬業者では、火葬前に安置用の箱から火葬用の棺に移したり、火葬炉に移したりしているため、箱ごと火葬しないのであれば、材質にこだわる必要はありません。
ペットの遺体の腐敗を防ぐために保冷がしやすいものや、持ち運びしやすいものを選ぶと良いでしょう。
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