うさぎが亡くなる前兆は?サインを見逃さず飼い主ができることを紹介

うさぎは愛らしい見た目と飼いやすさで人気が高い動物です。うさぎの寿命は昔に比べて伸びていますが、一般的には7歳~8歳で犬や猫に比べると長くはありません。

亡くなってしまったときの悲しみは避けて通れませんが、よりよい最期を過ごしてもらうことはうさぎにとっても飼い主にとっても大切なケアといえるでしょう。

うさぎの身体が衰えてきたと感じる場合は、死を迎える準備を行う必要もあります。

この記事では、うさぎが亡くなる前兆やそのときに家族ができること、最期を迎える準備、亡くなった場合の対応について詳しく紹介します。

うさぎが亡くなる前兆

うさぎが亡くなる前兆

うさぎが亡くなる前には、行動に変化が現れることも多くあります。ここでは、うさぎが亡くなる前兆を紹介します。

動きが鈍くなる

歳をとって死が近づいているうさぎは、動きが鈍くなるのが一般的です。

これは加齢によって筋肉が衰えるためで、骨や関節が衰えることなども活動を制限する要因となります。

運動機能が低下することでこれまで乗り越えていた段差に上がれないことや、転倒するような症状がみられることも少なくありません。

うさぎは個体によって性格に違いはあるものの、一般的には運動性が高く、ケージから出して散歩をさせるときに走り回ったり、遊びを要求したりすることもあります。

死期が近づいてくると、じっとして動き回らなくなり、いつもしていた遊びをしなくなるなどの前兆がみられるケースが多いです。

また、運動機能の低下で足底皮膚炎や床ずれなどの疾患を引き起こすこともあります。

食欲低下や下痢が増える

死期が近づいているうさぎは、食欲低下や下痢などの症状がみられることもあります。

これは加齢によって消化器などの内臓が衰えてしまうことや、運動機能が低下して身体を動かすことが少なくなり、エネルギー消費量が低下するためです。

口を動かす顎の筋肉が衰えることで、食事がしにくくなる場合もあります。

また、うさぎは歯が一生伸び続ける動物であり、牧草をすりつぶして上下の歯をすり減らしながら歯の長さを調整しています。

しかし、高齢になってくると歯の伸び方のバランスが乱れてしまい、かみ合わせが狂うことによって、歯の一部が口や粘膜を傷つけて食欲を落とすこともあります。

ペレットや牧草を与えても、エサが残る状態が続くような場合は要注意です。

エサをほとんど食べない状態になってくると、身体が必要なエネルギーを供給できず、そのまま衰弱して亡くなることもあります。

飼い主とのコミュニケーションが取りにくくなる

これまで問題なく取れていたコミュニケーションが取れなくなってきた場合、うさぎが亡くなる前兆である可能性があります。

コミュニケーションが取りにくくなる理由は、知覚の低下によって目や耳、鼻の感覚が鈍くなるためです。

また、物にぶつかったり、つまづいたりするなどの症状が合わせて現れることもあります。

普段からコミュニケーションを取っていた場合、それがうさぎにとってストレス解消になっていた可能性も大いにあるでしょう。

しかし、元気がなくなった状態で無理にコミュニケーションを取ることは、ストレスを与えることにつながる可能性もあります。

うさぎの様子に合わせながら、無理のない範囲で適切にコミュニケーションを取ることが大切です。

身体が冷たくなる

うさぎの平均的な体温は38°C〜40℃ですが、亡くなる前兆として体温低下がみられることがあります。

身体が冷たくなる理由は、代謝機能が衰えることで、血圧が低下して血液の循環が鈍くなってしまうためです。

高齢で運動機能や食欲が低下している状態が続いていて、さらに体温が低下しているときは最期のときが近づいている可能性があります。

一方、病気にかかって体温が低下・上昇することもあるため、普段は元気で急に体温が低くなったり、高くなったりしている場合は動物病院で診てもらいましょう。

呼吸が不規則になる

死が近づいているうさぎは、浅い呼吸や短時間の呼吸停止、深く速い呼吸を繰り返すなど、呼吸が不規則になりがちです。

最期は下顎呼吸といって、口をパクパクとさせるような呼吸になります。

このときは苦しそうに見えるかもしれませんが、脳が徐々に低酸素状態となることで、苦しさはあまり感じないといわれています。

一方、うさぎが肺炎にかかった場合も呼吸が不規則になったり、乱れたりすることもあります。

このケースだと抗菌剤の投与を行うことで症状が回復することもあるため、元気だったうさぎが急に苦しそうにしているような場合は、動物病院で診てもらうとよいでしょう。

グルーミングをしない

うさぎが亡くなる前の前兆として、グルーミング(毛づくろい)をしなくなることも挙げられます。

グルーミングをしなくなるのは、老化による運動機能の低下や、身体の柔軟性が低下することなどが理由です。

やがて毛並みが乱れて汚れが目立つようになり、毛の汚れに細菌や真菌が増殖することで皮膚疾患をもたらすこともあります。

この場合は、身体に異常がないかや反応を伺いながら、代わりに優しくグルーミングしてあげましょう。

突然死する場合もある

うさぎは突然死も多く、前兆に気づけないこともあります。

これは野生動物だった頃の名残が残っているためで、肉食動物に捕食される立場であるうさぎは、身を守るために弱っている姿をみせません。

しかし、体調不良を隠しても、しっかり見てあげていれば小さな体調変化に気付くことができて、早期に対応することで突然死を防げる場合もあります。

また、うさぎの突然死の原因として多い病気は、毛球症(もうきゅうしょう)やアドレナリンショックであるため、それぞれの特徴も正しく理解しておきましょう。

毛球症(もうきゅうしょう)

毛球症は、うさぎが口から摂取した毛が胃や腸などの消化器官で毛玉となって溜まる病気のことです。

体内の毛玉は胃や腸などの消化器官を詰まらせることになり、食べ物が流れなくなってしまいます。

さらに、消化器官の出口がふさがることで体内にガスが溜まって排出できなくなり、死に至るというものです。

繰り返しの嘔吐や食欲不振、便秘などの症状がみられる場合は動物病院で早急に診てもらいましょう。

アドレナリンショック

うさぎは野生動物だったころの名残から、命の危機を感じるような強いストレスを受けると、アドレナリンが大量に分泌されます。

その後は腎臓が正常に機能しなくなる「急性腎不全」になり、突然死することがあります。

アドレナリンショックは非常に大きな音がしたり、犬に吠えられたりすることで起こるケースもあるため注意が必要です。

日常生活でうさぎが命の危機を感じることはほとんどないですが、急激な環境変化や恐怖を感じるようなことには注意を払いましょう。

うさぎが亡くなる前兆が現れたときにできること

うさぎが亡くなる前兆が現れたときにできること

ここでは、うさぎが亡くなる前兆が現れたときにできることを紹介します。

動物病院で診てもらう

うさぎが亡くなる前兆が現れたときは、動物病院で診てもらいましょう。病気や症状によっては、適切な治療を受けることで回復する場合もあります。

また、かかりつけの病院を作っておくことで、体調管理や最期のお世話を行うときにも相談できるメリットもあるでしょう。

一方で、うさぎはストレスに弱くアドレナリンショックによる突然死のリスクがある点にも注意しなければなりません。

動物病院にはさまざまな動物がいたり、性格によっては見知らぬ環境でパニックを起こしたりする可能性もあります。

そのため、いきなり動物病院に連れて行くのではなく、事前に相談したうえで来院することをおすすめします。

動物病院で待っている間はキャリーに入れて、ブランケットで隠すなどの対策も効果的です。

家族で話し合って心の準備をする

うさぎが衰弱して亡くなる前兆がみられるときは、家族で話し合って心の準備をしましょう。

大切にしてきたうさぎが衰弱していく姿を目の当たりにすると、落ち込んだり、ショックを受けたりするのは当然のことです。

しかし、最期を後悔なく看取るためには心を落ち着かせて、心の準備を行うことも重要です。

心の準備ができてないとペットロスに陥ってしまい、自分自身が鬱や食欲低下、意欲の減少に悩まされて私生活に影響を及ぼす可能性もあります。

最期の看取り方については家族でも方向性が異なることがあるため、それぞれが意見を出し合って納得できる形で送り出す準備をしましょう。

最期に備えて環境を整える

うさぎに元気がなくなり、いよいよかなと感じるときは環境をきれいに整えてあげましょう。

古い敷きわらは頻繁に交換して、乾燥した気持ちのいい寝床で過ごせるようにしてあげてください。

うさぎが寝たきり状態になっている場合は、床ずれ防止のために寝返りをうたせてあげるのもよいでしょう。

また、グルーミングができない場合や、下痢や嘔吐を繰り返している場合は、こまめに掃除をして清潔な状態を保ちます。

食事や水が十分に取れない状態になってくると、死が差し迫っていると考えられます。

可能であれば、最期に好きなものを食べさせてあげて、濡れたガーゼを口に持っていって水分も与えましょう。

うさぎが亡くなった場合の対応

うさぎが亡くなった場合の対応

うさぎが亡くなったら、ベストな形で送り出す準備を進めていくことが大切です。ここでは、うさぎが亡くなったときにすべきことや対応方法を紹介します。

遺体を安置する

うさぎが亡くなった場合、最初に行うことは以下の通りです。

  • 汚れを拭きとってブラッシングをする
  • 体勢を整える
  • 瞼を閉じる

次にうさぎの遺体を納めるために、棺桶となる段ボールを用意し、そのなかにタオルや毛布を敷いて安置します。

通常は死後1時間から2時間程度で死後硬直が始まりますが、その前の段階であれば、箱に納めるときに脚を軽くたたんであげましょう。

亡くなったうさぎからは体液が出てくることもあるため、耳・目・口・肛門などは必要に応じてガーゼをあてておきます。

遺体を自宅に安置する場合は、涼しい部屋におき、保冷剤やドライアイスを遺体の脇やお腹あたりに置きましょう。夏場は遺体がいたみやすいため、クーラーをしっかりかけます。

適切な方法を取れば2日~3日ほどは自宅で安置できるため、この間に葬儀や供養について家族と決めていくとよいでしょう。

埋葬・供養する

うさぎとお別れの準備ができたら、次は埋葬・供養の準備を進めていきます。埋葬方法としては、以下の3つの方法が挙げられます。

  • 庭に埋葬する
  • 自治体に依頼する
  • 業者に依頼する

庭に埋葬するときはなるべく深い穴を掘って、十分な量の土をかけましょう。穴の深さが足りないと野生動物が掘り起こしたり、何かの拍子に出てきてしまう場合があります。

また、遺体が土の中で腐敗する際に、発生するニオイが漏れてしまうケースもあるため気をつけましょう。

自治体に依頼する場合は地域によって異なるものの、専用の焼却炉や他のごみと一緒に焼却されて遺骨は戻ってきません。

業者に依頼する場合は、葬式や火葬、供養をしてもらうことができ、中には、立ち合いができるところもあります。

人間と同じように供養したいという方には、業者への依頼がおすすめです。

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まとめ

この記事では、うさぎが亡くなる前の前兆やそのとき家族ができること、亡くなったときの対応を紹介しました。

うさぎは亡くなる前に行動や体調に変化が現れることが多くあります。

愛するペットとの別れはつらいですが、最期の時間を安らかに過ごすためにも小さな変化に目を向け、後悔ない最期を迎えたいものです。

亡くなる前兆が現れている場合は動物病院で診てもらったうえで、寿命が近づいている場合は看取り方や亡くなったあとのことも考えておく必要があります。

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