猫は死ぬ前に挨拶をする?行動例や飼い主ができること

愛する猫とのお別れはできれば考えたくないものですが、必ずいつかはやってきます。猫は死ぬ前に挨拶をするといわれているように、行動に変化が現れることが多いです。

悔いのないお別れができるように、死期が近づいたときの行動をいち早く察知し、最期を過ごしたいという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、猫が死ぬ前にみせる挨拶やサイン、死期が近づいたときに家族ができることを紹介します。

猫が死ぬ前にみせる挨拶

猫が死ぬ前にみせる挨拶

ここでは、猫が死ぬ前にみせる挨拶を紹介します。

猫の性格によって異なる場合もありますが、いつもと違う行動をみせた場合は最期の挨拶の可能性もあるため、チェックしてみましょう。

いつもと違う甘え方をする

普段はそっけない猫が、死ぬ前にいつもと違う甘え方をしてくることがあります。

どんな理由で違う甘え方をするかは科学的に解明されているわけではありませんが、体調に不安を感じていて、飼い主に安心感や愛情を求めていることの表れと考えると自然です。

また、甘えて飼い主や家族との思い出を作ろうと思っている可能性もあるでしょう。

もちろん、甘えてきたからといってすぐに心配する必要はありませんが、年を取っている猫や明らかに元気がなくなってきているような場合は、死期が近い可能性もあります。

甘えてくるということは飼い主と一緒にいたいと望んでいるため、猫の甘えに応じてあげましょう。この時間を大切にして猫に寄り添い、愛情と安心感を与えてあげることが大切です。

ゴロゴロと鳴く

死ぬ間際にいきなり鳴き声をあげたり、ゴロゴロと鳴いたりする猫も珍しくありません。

通常、猫がゴロゴロと鳴く理由としては、「ご飯を食べて満足している」「ケガや病気で身体がしんどくストレスが溜まっている」「かまって欲しい」などが挙げられます。

リラックスしているときに鳴くこともあるため、ゴロゴロと鳴くこと自体に問題があるわけではありません。

しかし、死ぬ前の場合だと病気によってしんどかったり、思うように身体が思うように動かなかったりすることで不安になっている可能性もあります。

特に普段よりも低い音でゴロゴロ鳴いているようなときは、苦しいサインの場合もあるため注意しなければなりません。

飼い主に何かを伝えたいサインであることに変わりはないため、優しくなでたり、寄り添ったりしながら安心感を与えることが大切です。

いきなり活動的になる

寝たきりだった猫が死ぬ間際になっていきなり活動的になったり、元気に動き回ったりすることがあります。

このような行動は死ぬ数時間前から数日前に起こることが多く、原因ははっきりしていないものの、認知症が可能性のひとつとして考えられるでしょう。

猫に限ったことではなく、生物は死期が近づいてくると認知能力が低下し、現実を正しくみられなくなる場合が多くあります。

また、脳腫瘍や脳炎などの脳の病気を発症している場合も、普段と違う行動をとるようなことが多いです。

「元気になってよかった」と安心する方も多いですが、本当に元気になって死をまぬがれるようなケースはほとんどありません。

寝たきりだった猫が急に元気を取り戻したときは、死が近い可能性があります。

猫が死ぬ前に現れるサイン

猫が死ぬ前に現れるサイン

猫が死ぬ前には、挨拶以外にもさまざまな変化がみられることがあります。ここでは、猫が死ぬ前に現れるサインを紹介します。

口呼吸をする

猫は死期が近づいてくると、口呼吸をすることが多くなります。

通常は鼻呼吸をするため、口呼吸をしているのは猫本人が苦しい思いをしている可能性が高いです。

また、呼吸が浅くて速くなっていたり、深くてもゆっくりになっていたりすると、あと数時間の命という状況もあり得ます。

一方、極端に興奮している場合やニオイなどに反応して口呼吸になるようなケースもあるため、呼吸以外に問題が見当たらなかったり元気が十分にある場合は様子をみましょう。

ご飯を食べなくなる

死期が近づいている猫は食欲がなくなる兆候がみられます。

高齢の猫や病気の猫でも死期が遠いうちは少量でも食事を行うため、まったく食べなくなった場合は何らかの異常が起こっている可能性が高いです。

かかりつけの獣医さんがいる場合は、受診して様子をみるのもよいでしょう。

原因によっては治療して回復する場合もあります。死期が近づいて食欲が低下している場合は、猫が好きな消化のいい食べ物を用意し、いつでも食べられるように用意しておきましょう。

また、水を自力で飲めなくなると脱水症状に陥る可能性もあります。食事も水も自力で取れない場合は、シリンジやスポイトを使って与えましょう。

毛並みが悪くなる

毛並みが悪くなることも、死ぬ前の猫に表れやすいサインのひとつです。

猫は自分で毛づくろいをして毛並みを整えますが、体調不良が続くと毛がぼさぼさになることもあります。

また、高齢猫は消化器官の機能が衰えやすく、毛まで栄養が行き渡らなくなることも毛並みが悪くなる理由です。

猫が自身で清潔を保つことができなくなり、毛玉や皮膚病になると猫には大きなストレスがかかります。ブラッシングをして、毛並みを優しく整えてあげましょう。

体温が低下する

猫の正常時の体温はおよそ38℃から39℃であり、これよりも体温が低下している場合は死期が近づいている可能性があります。

体温が下がっている状態で無理にエサを与えると、嘔吐することもあるため注意しましょう。一方、病気や感染症に罹患して死期が迫っていると高熱になることもあります。

必ずしも死期が近づくと体温が低下するわけではないため、平熱に比べて体温が高すぎたり、低すぎたりする場合は異常を疑いましょう。

目に異変が生じる

猫の目に異変が生じることも死期が迫っているサインのひとつです。

視線が合わなくなったときや焦点がずれているとき、目に覇気がないなどの症状は不調のサインとなります。

このような症状が起こるのは、目のピントを調整する機能が低下するためです。他にも、めやにが出たり、涙がたくさんでたりすることもあります。

猫は鼻や耳の感覚が優れていることもあって、目に異変が生じていても普段通りの生活を行うことが多いです。そのため、飼い主も注意深くみていないと気づけないことがあります。

また、寿命とは関係なく目の疾患で異変が生じている場合もあるため、少しでも違和感があるようなら早めに動物病院で原因を調べてもらいましょう。

独特のニオイがする

死期が近づいた猫からは、死臭という独特のニオイがすることもあります。

これは、臓器の機能が低下することによって体内に老廃物が蓄積することが原因です。老廃物の除去ができないことで時間を追うごとにニオイが強まっていきます。

代表的なものとしては、腎臓病によるアンモニア臭や糖尿病による甘酸っぱいニオイなどがあります。

心拍数が減少する

いつもより心拍数が減少している場合、猫に死期が迫っている可能性があります。

猫の心拍数は1分間に120~240回程度であり、120回を下回っている場合は減少しているといえるでしょう。ちなみに、猫の心拍数は後ろ足の太ももに手をあてるとチェックできます。

心拍数が減少する理由は、心臓の機能が低下しているためです。猫がいつもより元気がない、ぐったりしているなどの症状がみられる場合は、心拍数をチェックしましょう。

トイレを失敗する

いつもトイレで用を足していた猫が、場所に関係なくお漏らしをするような場合は死期が近づいている可能性があります。

失敗する原因としては、足腰が弱くなったことでフチをまたげなくなったり、トイレに行くまでに間に合わなかったりすることが挙げられます。

トイレに行こうという気力を感じる場合は、フチのところにタオルを置いて段差をなくすことや、猫の寝床の近くにトイレを設置するなどの対策が効果的です。

また、老猫は抵抗力が弱くなっており、感染症のリスクが高くなっています。

最期のときを安らかに過ごせるように、トイレを済ませたあとは細菌の繁殖を防ぐためにも、ウェットシートや水で湿らせて絞ったガーゼで優しく拭いてあげるとよいでしょう。

猫の死期が近づいたときに家族ができること

猫の死期が近づいたときに家族ができること

最期のときが近い猫に対し、どのような対応をしたらよいのでしょうか。ここでは、猫の死期が近づいたときに家族ができることを紹介します。

動物病院で診てもらう

死期が近づいている様子がみられる場合は、まずは病院で診てもらって治療の検討をします。

飼い主として、「最期までできるだけ治療したい」「少しでも長生きしてほしい」と考える方も多いでしょう。

しかし、体力が低下して自由が効かない猫にとって、通院や治療を行うことが必ずしも最善の方法とは限りません。

かかりつけの獣医師に診察してもらい、猫にできる治療やその効果を相談し、回復の見込みがある場合はきちんと治療する方がよいでしょう。

一方、猫に負担がかかって効果も見込めないなら、「治療をせずに最低限の対応」という選択肢もあります。

家族で看取り方を話し合う

猫に死期が近づいたときは、看取り方を家族で話し合っておきましょう。

「生きているうちに死後のことを考えたくない」と思う方も多いかもしれませんが、最期のときを安らかに迎えて送り出すためにも心の準備が必要です。

まずは、自宅で看取るか動物病院で看取るかを決めましょう。最期まで治療したいという場合は、設備が整っている病院がおすすめです。

しかし、猫にとっては病院で過ごすことにストレスを感じたり、最期に看取れなかったりする可能性もあります。

住み慣れた家で家族に囲まれながら最期のときを過ごす方がよい場合もあるため、何が猫にとってベストかを十分に考えたうえで、看取り方を決めておきましょう。

また、猫が亡くなったあとのことも考えて供養の方法も決めておく必要があります。

供養には、「自宅で埋葬する」「行政に引き取ってもらう」「業者に依頼する」などがあるため、家族全員が納得できる方法を決めましょう。

ペットをそのまま庭に埋めるのは良くない?その理由や適切な埋葬方法を詳しく紹介

寝床を整える

死期が近づいている猫は寝て過ごす時間が多くなるため、できるだけ快適に過ごせるように寝床を整えてあげましょう。

寝たきりになっていると排泄物で寝床が汚れてしまうため、清潔に保つことが重要です。

ペットシーツを敷いたり、洗いやすい毛布を使ったりなどもおすすめで、床ずれを防止するために、柔らかいクッションやマットなどを敷いてあげましょう。

また、猫はニオイに敏感であるため、香りが強い洗剤や柔軟剤で洗ったタオルや毛布などは使わないように注意する必要があります。

身体のケアをする

猫は清潔好きな動物であるため、死期が近づいて自分で動けなくなっているときは身体のケアをしてあげることが重要です。

猫が痛みを感じていないかを確認しながら、身体の周りを蒸らしたタオルで優しく拭いたり、ブラッシングをしたりしましょう。

顔やお尻まわりも丁寧に拭き、身体についている排泄物をふき取ります。

また、死期が近づいているときは獣医師から食事制限されない限り、好きなものを好きなだけ食べさせて問題ありません。

お気に入りのおもちゃやタオルなども、寝床に入れておくと喜びます。猫が常に安心できる環境を整えることを意識しながら、ケアを行いましょう。

まとめ

この記事では、死期が近づいてきた猫の挨拶やサインを紹介しました。

猫は死ぬ前に挨拶をすることが多くあります。愛する猫との別れは想像するだけつらいものですが、最期のときを安らかに過ごしてもらうためにも、家族で話し合ってベストな形で送り出したいものですね。

死期が近づいていることがわかったら、看取り方やそのあとのことも考えておきましょう。

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